

「独立洗面台を付ければ決まるはずだ」「宅配ボックスがないから選ばれないのではないか」。空室が長引くと、設備を足すという話が出てきます。
設備を追加すれば募集の見え方は確かに変わります。ただ、工事にかかったお金は、そのぶん家賃に上乗せできるとはかぎりません。設備は増えれば増えるほど、壊れたときに直す義務も、その費用も一緒に増えていきます。
そこで判断の材料になるのが、その設備にいくらまでかけられるのか、何年で戻ってくるのかという見方です。あわせて、かけた費用が経費として一度に落とせるのか、何年かに分けて計上するのかによっても、手元に残るお金は変わります。
賃貸に出している物件で設備を足すかどうか迷っているオーナーの方に向けて、費用の考え方、税金の扱い、増える義務、入居中の部屋の進め方までを順に見ていきます。アパートでも戸建て賃貸でも、判断の順番は同じです。
執筆・発行:株式会社イエリテ
公開日:2026年9月2日
情報確認日:2026年9月2日
この記事の目次

設備の追加を検討するとき、最初に決めておきたいのは金額の上限と回収の期間です。「これがあったほうがよさそう」という感覚から入ると、工事費が先に決まり、回収できるかどうかの計算が後回しになります。
考え方はシンプルです。その設備を付けたことで家賃を月いくら上げられそうか、あるいは空室期間を何か月縮められそうかを見積もり、そこから許容できる工事費を逆算します。
たとえば月2,000円の上乗せが見込めるなら、年間で24,000円です。20万円の工事なら、単純計算で回収に8年強かかります。家賃を上げずに空室期間の短縮だけで考えるなら、家賃6万円の部屋で2か月早く決まれば12万円分にあたります。
この計算はあくまで税引前・借入金の返済前の目安で、実際には設備の維持費や、後述する減価償却の扱いも影響します。それでも、上限額を先に決めておくと「見積りが出てから考える」状態を避けられます。
なお、家賃をいくらに設定できるかという査定そのものは、南城市でマンション・アパートの家賃はどう決まる?査定で見るポイントと貸す前に確認したいことで整理しています。
設備の話に進む前に確認しておきたいのが、そもそも決まらない理由が設備なのかという点です。募集情報が出ていない、写真が古い、初期費用の総額が周辺より高い、といった理由で止まっている場合、設備を足しても結果は変わりません。
どこで止まっているかの切り分けは、南城市でアパートの空室が続くのはなぜ?家賃を下げる前に確認したい原因の切り分け方で扱っています。内見までは来るのに決まらない、内見時に設備について質問される、といった状況であれば、設備を検討する段階に入っていると考えられます。
イエリテの実務から
当社へ寄せられたご相談の中に、空室対策として費用をかけて設備を入れ替えたものの、その分を家賃に反映できなかったというケースがありました。周辺の同じ間取り・同じ築年数帯の物件が同程度の家賃で出ているなかで、設備がよいことを理由に一段高い家賃を出すと、検索の条件から外れてしまうためです。結果として、家賃は周辺と同じ水準のまま、工事費だけが先に出ていく形になりました。
設備の追加を検討するときは、「その設備があると家賃をいくら上げられるか」だけでなく、「その家賃帯で募集したときに、他の物件と比べてもらえるか」まで確認しておくと判断しやすくなります。
上の例のように、設備の追加が家賃の上乗せに直結しないことがあります。一方で、同じ家賃帯に似た条件の物件が並んでいるとき、設備の差が問い合わせや内見後の判断につながることは考えられます。
そのため、投資の効果を家賃の上乗せだけで測ると、判断を誤ることがあります。家賃を上げられなくても、空室期間が縮まれば年間の家賃収入は変わります。前の項目で触れた「空室期間を何か月縮められそうか」からの逆算は、この考え方にあたります。

設備にかけたお金が、その年の必要経費になるのか、何年かに分けて計上することになるのか。ここは手元に残るお金に直接影響します。
国税庁は、修繕費と資本的支出の区別について「修繕や改良という名目によるのではなく、その実質によって判定します」としています。そのうえで、次のいずれかにあたる場合は修繕費として必要経費にできるとしています(出典:国税庁タックスアンサーNo.1379「修繕費と資本的支出の区分」・令和7年4月1日現在法令等)。
| 判定の材料 | 内容 |
|---|---|
| 周期・金額の基準 | おおむね3年以内の周期で行われる修理・改良であるとき、または一つの修理、改良などの金額が20万円未満のとき |
| 金額が明らかでない場合の基準 | 資本的支出か修繕費か明らかでない金額のうち、60万円未満のとき、またはその資産の前年末の取得価額のおおむね10パーセント相当額以下であるとき |
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注意点
60万円の基準は「資本的支出か修繕費か明らかでない金額」についての基準であり、60万円までなら何を入れても修繕費になるという意味ではありません。20万円未満の基準も「一つの修理、改良など」の単位で判定します。
設備にお金をかけたときの扱いは、大きく3つに分かれます。同じ「設備投資」でも、既存の資産に手を入れたのか、新しく独立した資産を取得したのかで出発点が違います。
| 区分 | あてはまる支出 | 扱い |
|---|---|---|
| 修繕費 | 既存の資産の通常の維持管理・原状回復のための支出 | 条件を満たせば、その年の必要経費 |
| 資本的支出 | 既存の固定資産への修理・改良などのうち、使用可能期間を延ばす部分、価値を高める部分 | その資本的支出を行った資産と種類・耐用年数を同じくする資産を新たに取得したものとして償却費を計算する |
| 新たな減価償却資産の取得 | 新しく独立した設備を購入・設置した場合 | 資産の種類・設置方法により、器具備品・建物附属設備などとして減価償却する |
資本的支出の扱いについて、国税庁は「その資本的支出を行った減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして、償却費の額を計算します」としています(出典:国税庁タックスアンサーNo.2107「資本的支出を行った場合の減価償却」・令和7年4月1日現在法令等)。
たとえば、エアコンのなかった部屋へ独立したルームエアコンを新設した場合は、新たな器具備品の取得として扱うことが考えられます。一方、建物に配管や電気設備を組み込む工事や、既存の資産の価値を高める改良工事では、建物附属設備の取得や資本的支出となることがあります。
判定は個々の工事の実質によるため、見積書の内訳が「修繕」となっていても、そのまま修繕費になるとはかぎりません。設備の構造や設置方法によっても区分が変わります。金額が大きい工事や、直すのと新しく付けるのが混ざっている工事は、見積書の内訳を持って税理士へ確認することをお勧めします。
資本的支出や新たな減価償却資産の取得にあたる場合でも、金額が小さいものは一度に経費にできる仕組みがあります。国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」(令和7年4月1日現在法令等)では、次のように整理されています。
| 取得価額 | 扱い |
|---|---|
| 使用可能期間1年未満または10万円未満 | その取得に要した金額の全額を、業務の用に供した年分の必要経費とする |
| 10万円以上20万円未満 | 一定の要件のもとで一括し、取得価額の合計額の3分の1に相当する金額を、業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入できる |
| 10万円以上40万円未満 | 一定の要件を満たす中小事業者である青色申告者は、少額減価償却資産の特例により、取得価額の合計額のうち年300万円に達するまでを、業務の用に供した年分の必要経費に算入できる場合がある |
10万円以上20万円未満のものは、要件を満たせば一括償却と少額減価償却資産の特例のどちらの扱いも選択できます。表の区分は、金額ごとに一つに決まるものではありません。
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補足
少額減価償却資産の特例は、令和8年度税制改正で対象となる取得価額が30万円未満から40万円未満へ引き上げられ、適用期限が3年延長されました。所得税についても同様とされています(出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱(3/9)」)。国税庁タックスアンサーNo.2100は令和7年4月1日現在の法令等にもとづく内容のため、30万円未満・令和8年3月31日までという改正前の基準が記載されています。
この特例は、青色申告をしている中小事業者が対象で、年間300万円までという上限や、対象となる資産の要件があります。青色申告をしていれば誰でも、どの資産でも使えるというものではありません。引き上げ後の基準がいつ取得した資産から適用されるかは取得の時期によって扱いが分かれるため、実際に工事を行う時点で、適用できる基準額と期限を国税庁の最新の情報や税理士に確認してください。税制は将来も変更されることがあります。
エアコンを1台10万円台で入れる場合と、給湯設備を配管から入れ替える場合とでは、同じ「設備投資」でも税務上の扱いが変わります。回収年数を計算するときは、その年に経費にできる金額と、何年かに分けて計上する金額を分けて見ておくと、実際の手残りに近づきます。
減価償却の年数は、設備の区分によって決まっています。家庭用のルームエアコンのように取り外しできる機器は「器具及び備品」の冷房用または暖房用機器として6年、給排水・衛生設備やガス設備は「建物附属設備」として15年、電気設備(照明設備を含む。その他のもの)は15年とされています(出典:国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(器具・備品)」「耐用年数(建物・建物附属設備)」。減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一による)。
配管や電気工事を伴って建物に組み込む設備は建物附属設備、単体で取り外せる機器は器具備品という区分が基本になりますが、個々の設備がどちらの区分にあたるかは、工事の内容によって判断が分かれることがあります。宅配ボックスや温水洗浄便座のような品目については、区分を断定できる公的資料を確認できていません。年数の見込みを立てる段階で税理士に確認しておくと、回収計算の前提がずれずに済みます。
なお、ここで扱っているのは個人が不動産所得として申告する場合です。法人が所有している場合は、根拠となる通達が異なります。
設備投資の判断で見落とされやすいのが、設置した後に続く負担です。
民法606条1項は、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない」と定めています(出典:民法(e-Gov法令検索))。
条文は、その設備を誰がいつ付けたかで区別していません。空室対策としてオーナーが自ら付けた設備であっても、契約上その物件の設備として貸している以上、原則として貸主が修繕義務を負うと考えておくのが基本です。「サービスで付けたものだから壊れても直さない」という整理は、当然には通りません。
ただし、契約でその物の位置づけをどう定めるかによって、扱いが変わる場合があります。前の入居者が残したエアコンなどを「残置物」として、修繕の対象外と明示して貸す実務もあります。どこまでを設備として貸し、どこからを対象外とするかは、募集を始める前に契約書と募集条件の両方で整えておく必要があります。特約でどこまで修繕義務を軽くできるかについては、範囲を示した公的資料を確認できていません。契約の内容そのものに関わる判断ですので、迷う場合は弁護士へご相談ください。
民法611条1項は、賃借物の一部が使用収益できなくなった場合について、それが借主の責めに帰することができない事由によるものであるときは、「賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される」と定めています。請求を待って減額されるのではなく、要件を満たせば減額される形の規定です。
つまり、設備を増やすほど、故障したときの修繕対応に加えて、この賃料減額が問題になる場面も増える可能性があります。もっとも、故障がすべて当然に減額につながるわけではなく、その設備が使えないことで賃借物の一部を使用収益できない状態になっていること、それが借主の責めに帰することができない事由によるものであることが前提です。どの程度の割合になるかは条文に定めがなく、設備の種類や使えなかった期間、生活への影響によって変わるため、一律の目安は示せません。
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設備を足す前に見ておく費用
設備が故障したときの初動と費用負担については、賃貸物件の水漏れ・設備故障が起きたときの貸主対応|修繕義務と費用負担の考え方で扱っています。
空室だけに設備を入れると、同じ建物の中で部屋ごとに設備が違う状態になります。ここで迷うオーナーの方は少なくありません。
民法606条2項は、「賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない」と定めています。雨漏りの補修や故障した給湯器の交換のように、保存に必要な行為であれば、借主はこれを拒めません。
一方で、空室対策としての設備のグレードアップが、この「保存に必要な行為」にあたるかどうかは、条文からは直ちに決まりません。必要性のない改良工事まで借主が受け入れる義務があるとまでは言えないため、入居中の部屋へ設備を足す場合は、入居者の同意を得て日程を調整しながら進めるのが基本になります。
あわせて、民法607条は、賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は契約の解除をすることができると定めています。工事の内容や期間によっては、こうした規定も関わってきます。長期間の立ち入りや在宅が必要な工事は、退去のタイミングに合わせるほうが結果的に進めやすいこともあります。
民間の賃貸住宅について、同じ建物内で住戸ごとに設備や家賃に差があること自体を禁じる法令は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。ただし、「一切問題がない」と言い切れるものでもありません。
借地借家法32条1項は、賃料の増額だけでなく減額についても定めており、近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、借主の側から減額を請求できる仕組みになっています。同じ建物内の他の部屋との差がどう評価されるかは個別の判断になりますが、設備差・家賃差が生じることは知っておいたほうがよい点です。
現実的には、空室から順に設備を入れていき、入居中の部屋は退去のタイミングで揃えていくという進め方になります。既存の入居者から「うちにも付けてほしい」と相談を受けたときにどう答えるかを、工事を始める前に決めておくと、対応がぶれずに済みます。
新しく募集する部屋の家賃は、募集条件として決められます。一方、すでに契約が続いている部屋の家賃を上げるには、別の考え方が必要です。
借地借家法32条1項本文は、建物の借賃が「租税その他の負担の増減」「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動」により、または「近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき」は、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって借賃の額の増減を請求することができると定めています(出典:借地借家法(e-Gov法令検索))。
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先に結論
「設備投資をしたこと」自体は、条文に書かれた増額請求の要件ではありません。増額を請求できるのは現在の家賃が不相当になったときであり、設備を付けたから当然に上げられるという構造にはなっていません。
同条1項ただし書は、「一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う」としています。契約書に不増額の特約がある場合は、その期間中は増額を請求できません。
また同条2項では、増額について当事者間に協議が調わないときは、請求を受けた側は、増額を正当とする裁判が確定するまでは相当と認める額を支払えば足りるとされています(裁判が確定して不足があるときは、年1割の利息を付けて支払う)。請求すればすぐに新しい家賃になる、という仕組みではありません。
以上を踏まえると、設備投資の回収を家賃で考える場合は、新しく募集する部屋の家賃で反映するか、契約更新のタイミングで入居者と話し合って合意するかが中心になります。合意による家賃の改定は、32条の請求とは別に、当事者間で当然にできます。
入居中の部屋に費用をかけて家賃を上げようとすると、上の要件と手続きが関わってきます。設備投資と家賃改定を同時に進めたい場合は、契約書の特約の有無を先に確認してください。
設備の傷み方や、使える制度、募集での見せ方は、地域によって確認しておきたい点が変わります。
イエリテの実務から
当社が南城市周辺で建物を確認してきた範囲では、海が近い立地の物件で、エアコンの室外機や屋外の金属部分に傷みが出ているのを見かけることがあります。同じ年数が経過していても、内陸側の物件と状態が違うことがあり、交換の時期が早まる場合があります。
塩害によって設備が何年で劣化するかを示す公的な資料は確認できていません。そのため年数の目安は示せませんが、海沿いの物件で設備を検討するときは、耐塩害仕様の機器を扱えるかどうかを含めて、施工業者に確認しておくと、後の交換費用まで含めた見通しが立てやすくなります。台風のたびに屋外設置の機器へ負担がかかることも、設置場所を決める段階で相談しておきたい点です。回収年数を計算するとき、この地域では耐用年数いっぱいまで使える前提で計算しないほうが安全です。
賃貸オーナーの設備投資に使える南城市・沖縄県の補助制度について、公式の情報を確認できていません。国の省エネ関連の事業についても、年度ごとに公募の状況が変わります。
補助制度を使いたい場合は、工事の契約を結ぶ前に、南城市の所管課と施工業者の双方へ確認してください。補助の申請では、着工前の申請や、登録された事業者による施工が条件になっていることがあります。工事が終わってからでは間に合わないことがあるためです。
インターネット設備を入れて「インターネット無料」と募集に出す場合など、設備を訴求するときには表示の正確さが必要です。不動産の広告については、景品表示法と不動産の表示に関する公正競争規約により、事実と異なる表示や、実際のものより優良・有利と誤認されるおそれのある表示は禁止されています。
たとえば別途の使用料や契約が必要なのに「無料」とだけ書く、実際には全戸に導入されていないのに導入済みのように書く、といった表示は避ける必要があります。募集は通常、仲介会社や管理会社が行いますので、設備の内容と条件を正確に伝え、掲載する文言を募集を依頼する会社と一緒に確認してください。
設備投資の判断には、複数の分野の確認が関わります。
| 相談先 | 確認すること |
|---|---|
| 施工業者 | 工事費の内訳、工期、入居中でも施工できるか、耐塩害仕様の機器を扱えるか |
| 税理士 | 見積書の内訳が修繕費になるか資本的支出になるか、減価償却の年数、少額の特例が使えるか |
| 仲介会社・管理会社 | 周辺の募集条件と比べて設備が不足しているか、その設備で家賃をいくら反映できそうか、掲載できる表示の内容 |
| 弁護士 | 修繕義務を軽くする特約の内容、家賃増額の進め方、入居者との交渉が難航した場合 |
| 南城市の所管課 | 使える補助制度があるか、申請の時期と条件 |
管理を委託している場合は、設備の追加をどこまで管理会社に相談できるかも確認しておきたい点です。自主管理と管理委託でどこまで任せられるかは、相続したアパートは自主管理と管理委託どちらにする?手間と費用の比べ方で扱っています。
設備の追加について、オーナーの方からいただくご質問を整理しました。
一律の目安はお示しできません。同じ地域・同じ間取り・同じ築年数帯の募集がいくらで出ているかによって、上乗せできる幅は変わります。上げた家賃が周辺の相場から離れると、検索の条件から外れてしまうことがあります。まずは周辺の募集条件を並べて、その家賃帯で比べてもらえるかを確認してください。
使用及び収益に必要な修繕であれば、貸主が修繕義務を負います。故障して使えない状態であれば、民法606条1項の修繕の対象になります。一方、故障はしていないが古いので新しくしてほしい、という要望は修繕義務とは別の話になります。故障して使えない期間が続く場合は、同法611条1項により家賃が減額されることがあるため、対応を先延ばしにしないほうが結果的に負担が小さくなります。
設備以外の条件を確認してください。募集情報の写真に新しい設備が反映されているか、掲載している媒体が周辺と同じか、初期費用の総額が周辺より高くなっていないか。設備を入れたことが募集情報に反映されていないケースもあります。切り分けの手順は、この記事の前半で触れた原因の切り分けに戻って確認してください。
判断の材料になります。設備を入れても回収に十数年かかる見込みで、その間に大規模な修繕の時期が重なる場合、投資を続けるか手放すかを比べる段階に入っていることがあります。続けるか売るかの比べ方は、アパート経営を続けるか売るか|南城市で判断するときの視点で整理しています。設備投資は、その物件をこれから何年持ち続けるかとセットで考える判断です。
次に行うこととしては、検討している設備の見積りを取り、周辺の募集条件を並べて、その設備でいくらの家賃帯を狙えるかを確認するところから始めてみてください。
この記事は、2026年9月2日時点の法令・公的資料にもとづく一般的な情報です。設備の費用が修繕費と資本的支出のどちらにあたるか、減価償却の年数、特例の適用可否は、工事の内容と申告の状況によって異なります。税務の判断は税理士、契約条項や家賃改定の交渉に関わる判断は弁護士、補助制度の有無と申請の要件は南城市の所管課へご確認ください。法令・制度・税制は変更される場合があります。
設備にいくらまでかけてよいかは、その物件が周辺のどの家賃帯で比べられているか、あと何年持ち続けるかによって変わります。当社では、募集の状況と設備の状態を照らしながら、設備を足す・家賃の設定を見直す・管理の任せ方を変えるといった選択肢を整理するところからお手伝いします。アパートだけでなく、戸建て賃貸の設備や貸し方についてもご相談いただけます。工事をすると決めていない段階でも構いません。

株式会社イエリテ 代表
沖縄県南城市出身。住宅建築設計や不動産実務の経験を活かし、土地・戸建て・空き家・相続不動産などの売却や活用をサポートしています。お客様一人ひとりの事情に寄り添い、売る・残す・活用するといった選択肢を分かりやすく整理してご提案します。
売却だけでなく、賃貸や管理を含めた活用方法についてもご相談いただけます。