


「家や土地を売りたいけれど、何から始めればいいのか分からない」。南城市で不動産の売却を考え始めた方から、こうしたご相談をいただくことがあります。
不動産の売却は、多くの方にとって何度も経験することではありません。査定、媒介契約、売り出し、契約、引き渡しと段階があり、それぞれで判断が必要になります。
先にお伝えすると、全体の流れは6つのステップに整理できます。流れが分かっていれば、「今どの段階にいて、次に何が起きるのか」が見通せるようになります。
この記事では、売る前の確認から引き渡しまでの各ステップ、それぞれで気をつけたいこと、売却にかかる費用の目安までを整理します。あわせて、2024年7月から始まった仲介手数料の特例についてもご説明します。
執筆・発行:株式会社イエリテ
公開日:2026年07月21日
最終更新日:2026年07月21日
情報確認日:2026年07月21日
この記事の目次

不動産の売却は、次の流れで進みます。
このあと、利益が出た場合は確定申告が必要になります。
期間については、物件の種類・立地・価格・時期によって大きく変わります。買主がすぐに見つかることもあれば、時間がかかることもあります。「いつまでに売れる」と決まったものではないため、余裕をもった計画をおすすめします。
売り出す前に確認しておきたいことがあります。ここを飛ばすと、買主が決まってから手続きが止まってしまうことがあります。
まず確認したいのが、不動産の名義が誰になっているかです。
亡くなった方の名義のままでは、売却できません。相続した不動産の場合は、相続登記を済ませる必要があります。
なお、相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務化されており、施行日前に開始した相続についても2027年(令和9年)3月31日までという期限が設けられています(出典:法務省「相続登記の申請義務化について」)。詳しくは相続した空き家はどうする?売却・活用の選択肢と3,000万円特別控除をご覧ください。
登記の手続きそのものは司法書士が専門です。
住宅ローンが残っている場合、その不動産には金融機関の抵当権が設定されています。
引き渡しの時点で、抵当権を抹消する必要があります。売却代金でローンを完済できるかどうかは、早い段階で確認しておきましょう。残債が売却代金を上回る場合は、不足分をどう用意するかを含めた検討が必要になります。
金融機関に問い合わせれば、残高証明や完済に必要な金額を確認できます。
不動産が複数人の共有になっている場合、売却には原則として共有者全員の同意が必要です。
「自分は売りたいが、兄弟がまだ決めかねている」という状態で話を進めると、買主が現れてから止まってしまいます。早めに意向を確認しておくと安心です。
売りたい土地が農地の場合、農地法にもとづく許可や届出が必要になります。通常の宅地の売却とは流れが異なるため、南城市で農地・畑を売りたいときの流れ|農地法の許可と手続きの進め方をあわせてご確認ください。
ポイント|最初に確認したい3点
①名義が現在の所有者になっているか ②住宅ローンの残債はいくらか ③共有者・相続人の意向は揃っているか。
この3点は、査定の前に確認しておくと後の手続きがスムーズです。
売り出し価格を決めるために、不動産会社の査定を受けます。
査定には2種類あります。
「まず目安が知りたい」段階では机上査定、「具体的に売却を検討している」段階では訪問査定、という使い分けができます。
ここで大切な点があります。査定額は「この価格で売れそう」という見通しであり、その価格での売却を保証するものではありません。
実際の売却では、次の3つの価格が出てきます。
査定額がそのまま成約価格になるとは限りません。高い査定額を提示されても、その価格で売れなければ意味がないという点は、知っておいていただきたいところです。
査定の根拠(どの取引事例を参考にしたか、どの点を評価したか)を説明してもらうと、納得して判断しやすくなります。
依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。媒介契約には3つの種類があり、義務や制約が異なります。
| 項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 複数社への依頼 | できる | 1社のみ | 1社のみ |
| 自分で買主を見つける | できる | できる | できない |
| レインズへの登録義務 | なし(任意) | 契約日の翌日から7日以内 | 契約日の翌日から5日以内 |
| 売主への報告義務 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
(出典:東日本不動産流通機構「媒介契約制度」)
レインズとは、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する情報ネットワークです。登録されると、他の不動産会社にも物件情報が共有され、買主を探せる範囲が広がります。
登録期限の日数は、不動産会社とレインズの休業日を除いて数えます。報告は文書または電子メールで行われます。
媒介契約の有効期間は3か月以内と定められています。期間が来たら、継続するか、他社に変えるかを判断できます。
一概には言えませんが、考え方としては次のようになります。
ご自身がどの程度関わりたいか、報告をどれくらい受けたいかによって、適した契約は変わります。
媒介契約の際は、仲介手数料(報酬)についても確認します。
売買の媒介で不動産会社が受け取れる報酬には、上限が定められています。物件価格に応じた料率を合計した金額が上限です(出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」)。
たとえば物件価格が1,000万円の場合、200万円×5.5%+200万円×4.4%+600万円×3.3%=39.6万円(税込)が上限になります。
2024年(令和6年)7月1日から、低廉な空家等に関する特例が始まりました。
価格が800万円以下の宅地・建物については、その媒介に要する費用を勘案して、通常の上限を超えて報酬を受け取ることができます。ただし、その上限額は30万円の1.1倍(33万円・税込)以内とされています(出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」)。
この特例は「使用の状態を問わない」ため、空き家に限らず、価格が800万円以下の物件が対象になります。南城市でも、この価格帯にあたる土地や建物はあります。
背景には、価格の低い物件ほど、現地調査や書類の準備にかかる手間に対して報酬が見合わず、取り扱いが進みにくいという事情があります。特例によって、これまで流通しにくかった物件が扱いやすくなりました。
注意点|報酬額は媒介契約の前に確認しましょう
この特例を適用する場合、不動産会社は媒介契約の締結に際して、あらかじめ報酬額について依頼者に説明し、合意する必要があります。「引き渡しの直前になって想定より高い手数料を請求された」ということがないよう、契約前の説明を必ず受けてください。金額に納得できない場合は、その場で質問して構いません。
媒介契約を結んだら、実際に売り出します。
査定額を参考にしながら、最終的な売り出し価格は売主が決めます。
高く設定すれば手取りは増えますが、問い合わせが入らないまま時間が過ぎることがあります。低く設定すれば早く売れる可能性は高まりますが、本来得られたはずの金額を下回ることもあります。
「いつまでに売りたいか」「いくら以上で売りたいか」の優先順位を、あらかじめ整理しておくと判断しやすくなります。
不動産会社が行う販売活動には、次のようなものがあります。
どの活動を行うかは、物件の種類や地域によって変わります。専任・専属専任の場合は定期的な報告があるため、状況を確認しながら進められます。
建物を売る場合、購入希望者が実際に室内を見学する「内覧」があります。
特別なリフォームをする必要はありませんが、次の点を整えておくと印象が変わります。
空き家で、県外にお住まいの場合は、これらの対応をどうするかを不動産会社と相談しておきましょう。
一定期間、問い合わせや内覧の申し込みがない場合は、価格や見せ方を見直します。
売り出したら終わりではなく、状況を見ながら調整していくものとお考えください。
購入希望者と価格や引き渡し時期の条件が合意できたら、売買契約を結びます。
契約に先立ち、宅地建物取引士から買主へ「重要事項説明」が行われます。物件の権利関係、法令上の制限、インフラの状況などを説明するものです。
売主としても、物件について把握している情報は正確に伝えてください。知っていて伝えなかった不具合は、後のトラブルにつながります。
土地を売る場合、隣地との境界を買主に示すことが求められます。
境界標が見当たらない、隣地との認識が食い違っているといった場合は、契約前に確認や測量が必要になることがあります。測量や境界の確定は土地家屋調査士が専門です。
境界がはっきりしない土地の進め方については、境界が分からない土地は売却できる?南城市でよくある事例と対処法をご覧ください。
契約時には、買主から売主へ手付金が支払われるのが一般的です。
売買契約書には、価格、引き渡し時期、契約解除の条件、契約不適合責任の範囲などが記載されます。契約を結んだ後は、簡単には解除できません。内容に分からない点があれば、署名前に必ず質問してください。
売買契約書には、契約金額に応じた収入印紙を貼ります。
不動産の譲渡に関する契約書のうち、契約金額が10万円を超えるものについては、平成26年4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに作成されるものに軽減措置が適用されます(出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」)。
契約から一定の期間をおいて、決済と引き渡しを行います。買主が住宅ローンを利用する場合は、審査の結果が出てからになります。
決済日には、次のことが同じ場に集まって行われます。
登記の申請は司法書士が行います。金融機関の応接室などで行われることが一般的です。
売却によって利益(譲渡所得)が出た場合や、各種の特例を使う場合は、売った年の翌年に確定申告が必要です。
特例を使って税額がゼロになる場合でも、申告をしなければ特例は適用されません。詳しくは不動産を売ったときにかかる税金は?譲渡所得税と3,000万円特別控除の基本をご覧ください。
売却では、手元に入る金額から次のような費用が差し引かれます。
ポイント|「売れた金額=手取り」ではありません
売却代金からこれらの費用を差し引いた金額が、実際に手元に残ります。住宅ローンが残っている場合は、その返済も必要です。
売却を検討する段階で、おおよその手取り額を試算しておくと、その後の計画が立てやすくなります。
売却の各段階で、次のような書類が必要になります。すべてが最初から揃っている必要はありません。
見つからない書類があっても、代わりの方法で対応できる場合があります。まずは手元にあるものを確認し、不足分は相談しながら揃えていきましょう。
不動産の売却は、複数の専門分野にまたがります。
当社は、売却全体の進め方の整理と、必要に応じた専門家へのお取り次ぎをお手伝いする立場です。

不動産売却の流れを整理します。
次の一歩として、登記の名義と住宅ローンの残債を確認してみてください。この2つが分かると、売却に向けて動けるかどうかの見通しが立ちます。
売ると決めていない段階でも構いません。「いくらで売れそうか」「費用はどれくらいか」を知ることは、判断の材料になります。
物件の種類、立地、価格、時期によって大きく変わります。買主がすぐに見つかることもあれば、時間がかかることもあります。「必ず○か月で売れる」と言える性質のものではないため、期間に余裕をもった計画をおすすめします。急いで現金化したい事情がある場合は、その旨を最初にお伝えください。進め方の選択肢をご案内できます。
査定額は「この価格で売れそう」という見通しであり、その価格での売却を保証するものではありません。実際の成約価格は、購入希望者との交渉によって決まります。査定を受ける際は、金額だけでなく、その根拠(参考にした取引事例、評価したポイント)を確認しておくと、納得して判断しやすくなります。
ご自身がどの程度関わりたいかによって変わります。専任・専属専任は、1社が販売活動を行い、定期的な報告義務があります(専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上)。一般媒介は複数社に依頼できますが、報告義務はありません(出典:東日本不動産流通機構「媒介契約制度」)。どの契約でも有効期間は3か月以内で、期間満了時に見直せます。
支払いの時期は媒介契約の内容によりますが、売買契約時と決済時に分けて支払う方法が取られることがあります。金額の上限は法令で定められており、800万円以下の物件については2024年7月から特例が設けられています(出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」)。支払時期と金額は、媒介契約の前に必ず確認してください。
空き家のままでも売却できます。ただし、長期間使われていない建物は、湿気やにおい、庭木の伸びなどで印象が下がることがあります。内覧の前に換気や清掃をしておくと違いが出ます。県外にお住まいで現地対応が難しい場合は、その状況を含めてご相談ください。なお、相続した空き家には売却時に使える特別控除があり、期限が定められています。
売却代金でローンを完済できる見込みがあれば、売却は可能です。引き渡しの際に、残代金でローンを返済し、抵当権を抹消する手続きを同時に行います。売却代金が残債を下回る場合は、不足分を自己資金で補う、金融機関と相談するなどの対応が必要になります。まずは金融機関に残高を確認し、そのうえでご相談ください。
本記事は、一般的な情報提供を目的としています。個別のケースによって、手続きの内容や必要な費用は異なります。
南城市の不動産売却について、流れの確認や費用の見通しからご相談いただけます
「まだ売ると決めていない」「まずは相場と費用を知りたい」という段階でも構いません。名義やローンの状況を確認し、手取りの見通しを一緒に整理するだけでも、次にすべきことが見えてきます。南城市および沖縄県南部の不動産について、状況の整理からお手伝いします。登記は司法書士、税金は税理士が専門ですので、必要に応じて専門家への相談もあわせてご案内します。県外にお住まいの方のご相談も承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。

株式会社イエリテ 代表
沖縄県南城市出身。住宅建築設計や不動産実務の経験を活かし、土地・戸建て・空き家・相続不動産などの売却や活用をサポートしています。お客様一人ひとりの事情に寄り添い、売る・残す・活用するといった選択肢を分かりやすく整理してご提案します。
査定だけのご相談でも構いません。現在の状況やご希望を丁寧にお伺いします。