

査定額や売り出し価格を決めたあと、多くの売主の方が次に気になるのが「内覧で何を聞かれるのか」「どこまで準備すればよいのか」だと思います。
内覧は、購入希望者が実際に室内へ入り、暮らしのイメージを具体的に持てるかどうかを確かめる場です。写真や間取り図だけでは伝わらない情報が、内覧のわずかな時間で伝わります。
先にお伝えすると、内覧対応で押さえておきたいのは「事前の準備」「当日の案内の仕方」「聞かれやすい質問への答え方」「内覧後の振り返り」の4つです。この記事は主に、居住中または空き家の戸建てを室内から案内する場面を前提に整理しています。土地のみを売却する場合に必要な現地案内の準備は、後半で別に扱います。南城市や沖縄県南部での売却を前提に、それぞれの進め方を見ていきます。
執筆・発行:株式会社イエリテ
公開日:2026年8月20日
最終更新日:2026年8月20日
情報確認日:2026年8月20日
この記事の目次
内覧で購入希望者が確認しているのは、価格に見合う暮らしができるかどうかです。間取り図の数字だけでは分からない、部屋の明るさ、音の伝わり方、収納の使い勝手、隣家との距離感などを、実際に歩いて確かめています。
同じ物件でも、内覧時の状態によって伝わる印象は変わります。内覧は「物件を良く見せる場」ではなく「物件の状態を正確に伝え、購入後の暮らしを想像してもらう場」だと考えると、準備の方向性が定まりやすくなります。
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判断のポイント
内覧対応は、契約後のトラブルを防ぐことにもつながります。把握している事実は内覧で隠さず伝え、仲介会社へ共有して告知書・付帯設備表等に整理しましょう。これらは売主が把握する事実を整理する資料で、宅建士による重要事項説明や売買契約書・特約とは役割が異なり、記載しただけで契約内容や責任範囲が自動的に決まるわけではありません。書面間に食い違いがないかは、契約前に仲介会社と確認します。

内覧の予定が決まったら、次の3点を確認しておくと、当日の案内がスムーズになります。
| 準備すること | 具体的な内容 |
|---|---|
| 室内の状態 | 清掃、換気、照明、生活感(私物・写真等)の整理 |
| 説明できる状態にしておく資料 | 仲介会社が使用する告知書(物件状況報告書)、間取り図、設備の取扱説明書 |
| 当日の動線 | 案内する順番、収納・水回りを開けて見せる準備、駐車スペースの確保 |
水回りや玄関は、購入希望者が特に目を向けやすい場所です。普段の掃除に加えて、内覧前には換気を行い、匂いがこもっていないかを確認しておくと安心です。
私物が多いと、購入希望者が家具の配置後の暮らしをイメージしにくくなることがあります。すべてを片付ける必要はありませんが、生活感を抑えるだけでも、部屋が広く見えやすくなります。
イエリテの実務から
内覧に立ち会う中では、収納の扉を開けて中まで確認される方が少なくありません。収納内に物が詰め込まれた状態のままだと、収納量そのものを正しく伝えにくくなります。内覧前に収納の中身を整理しておくと、当日の説明がしやすくなります。
雨漏り、シロアリ被害、越境、設備の不具合など、把握している不具合や注意点は、内覧前に整理しておきます。把握している事実は、内覧での口頭説明にとどめず、仲介会社が使用する告知書・付帯設備表等へも整理しておくと、契約前の確認がスムーズになります。告知書・付帯設備表は、売主が把握する事実を整理する資料であり、宅建士が行う重要事項説明や売買契約書・特約とは役割が異なります。口頭説明や告知書への記載だけで、契約内容や売主の責任範囲が自動的に決まるわけではなく、各書面の記載に食い違いがないかは契約前に仲介会社と確認します。
告知書の書き方に迷う場合は「物件状況報告書(告知書)には何を書く?」で判断の順番を整理しています。契約不適合責任の基本的な仕組みは「契約不適合責任とは?」で説明しています。

内覧当日は、売主が立ち会う場合と、仲介会社に案内を任せる場合の2通りがあります。どちらを選ぶかは、物件の状態や売主の都合によって変わります。
空き家を売却する場合は、仲介会社が単独で案内する形を取ることがあります。この場合は、鍵の受け渡し方法や、内覧前後の施錠確認を仲介会社と取り決めておきます。
イエリテの実務から
空き家の内覧では、事前に近隣へ内覧予定を伝えていない場合、車の出入りや人の気配で問い合わせをいただくことがあります。長期間不在にしている空き家では、内覧のたびに窓や設備の状態を確認しておくと、当日になって不具合に気づくということが少なくなります。
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内覧当日に用意しておきたいもの
同じ時期に複数の内覧希望が重なることもあります。内覧希望の日程調整は、売主の予定や物件の状況を踏まえて仲介会社と決めます。内覧希望と、売買の意思を示す正式な申込みは別のものです。買受申込書など、売買又は交換の申込みがあった場合、媒介契約を締結した仲介会社は、売主の希望条件に合わない内容を含め、遅滞なくその旨を売主へ報告しなければなりません(宅地建物取引業法第34条の2第8項)。この義務は、専任媒介契約・専属専任媒介契約に限らず、一般媒介契約を含む媒介契約全般に適用されます。複数の申込みがあるときは、価格だけでなく、引渡時期や融資利用の有無、契約条件なども比較したうえで、どの申込みを受けるかを仲介会社と判断します。
内覧の場では、間取りや設備以外にも、次のような質問が出ることがあります。
建物状況調査(インスペクション)は、既存住宅状況調査技術者である建築士が、原則として目視・非破壊で、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の劣化事象等を確認する調査です。給排水管路・給排水設備などは、オプション調査を除き原則として対象外です。したがって、調査を実施する場合でも、把握している設備の不具合や修繕履歴は、告知書・付帯設備表等で別途整理し、仲介会社へ共有します。
既存住宅の売買では、宅地建物取引業者が媒介契約書に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載しますが、調査の実施自体は義務ではありません。重要事項説明の対象となるのは、原則として実施から1年を経過していない建物状況調査です。ただし、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等では、実施から2年を経過していないものが対象となります。戸建て住宅は構造にかかわらず、原則どおり1年が基準です。(出典:国土交通省「既存住宅流通について(建物状況調査(インスペクション)活用に向けて)」、e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第35条第1項第6号の2・宅地建物取引業法施行規則第16条の2の2)。調査は調査時点の劣化・不具合等を確認するもので、瑕疵がないことを保証するものではなく、土地のみの売却では直接関係しません。実施の要否や進め方は、仲介を依頼している宅地建物取引業者にご確認ください。
これらの質問に対し、その場で分からない内容は、無理に答えようとせず「確認してご連絡します」と伝えて構いません。曖昧なまま答えるより、後日正確な情報を伝えるほうが信頼につながります。
準備や当日の案内に加えて、次の点にも配慮しておくと安心です。
内覧申込みで得た氏名や連絡先は、通常、仲介会社が窓口となり、あらかじめ示した利用目的の範囲で取り扱います。利用目的には、内覧の日程調整や売買媒介に必要な連絡などが含まれることがあるため、申込フォームや仲介会社のプライバシーポリシーでご確認ください。売主へ共有する情報は必要最小限とし、売主側では不要な控え・転送・保管を残さないようにします。
購入希望者が室内の写真や動画を撮影したいと申し出ることがあります。撮影の可否や範囲は、売主・居住者の事前の許可を得たうえで、仲介会社が案内する形にしておきます。撮影を認める場合も、家族写真、郵便物、重要書類、鍵、防犯設備の画面などが写り込まないようにし、SNSや第三者への共有・公開には別途許可が必要であることを事前に伝えておくと安心です。撮影を認めない場合は、その旨を仲介会社から内覧者へ案内してもらいます。
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防犯面の配慮
空き家や、売主が不在の状態で内覧を行う場合は、貴重品や重要書類を室内に置いたままにしないようにします。鍵の受け渡しやスマートロックの管理方法についても、仲介会社とあらかじめ決めておきます。
戸建てではなく土地のみを売却する場合は、室内の内覧ではなく、現地案内が中心になります。境界標の有無、越境、接道の状況、上下水道等の引込み、擁壁や地中埋設物の有無、過去の浸水や冠水など、把握している情報を仲介会社へ整理して伝えておきます。水害ハザードマップ上の所在地など、法令で定められた説明は宅地建物取引業者が契約前に行うため、個別の危険性の判定はここでは行いません。把握している浸水の履歴をどう伝えるか、区域に入っている土地の売却をどう考えるかはハザードマップの区域に入っている家は売れる?売却前に確認することと買主への伝え方で扱っています。現地案内では、草木や足元の安全、駐車・集合場所の確保にも配慮します。沖縄では梅雨や台風の時期に、天候によって現地の見え方や日程が左右されることがあるため、仲介会社と相談しながら進めるとよいでしょう。
内覧が終わったら、購入希望者の反応や質問内容を仲介会社と共有しておきます。同じ質問が複数回出た場合は、次回の内覧までに説明の準備をしておくと対応がスムーズになります。
内覧を重ねても反応が芳しくない場合は、売出価格や売り出し方の見直しを検討する場面もあります。この判断は仲介会社とあわせて行います。
内覧希望と、正式な売買の申込みは別のものです。購入希望者が決まり、買受申込書などで条件交渉へ進む場合は、仲介会社を通じて条件を比較しながら契約の手続きへ進みます。売却全体の流れは「不動産売却の流れを6ステップで解説」をご覧ください。
内覧の時間帯だけ、ペットを別室やケージに移しておくと、購入希望者も落ち着いて内見できます。アレルギーや動物が苦手な方もいるため、匂いや毛の対策もあわせて行っておくと安心です。ペットや家族の様子を撮影されたくない場合は、内覧の案内とあわせて仲介会社へ伝えておきましょう。
売主が立ち会わない内覧も可能です。その場合は、鍵の管理方法や案内の際に伝えてほしい内容を、事前に仲介会社と共有しておきます。
日程の候補が複数あるなら調整の余地がありますが、雨天だからといって内覧自体を断る必要はありません。むしろ、雨の日に室内の湿気や水はけの状態を確認できるという側面もあります。
当日の体調やご都合でキャンセルが入ることはあります。その場合の連絡方法や、他の候補者への日程振り替えについては、仲介会社と事前に取り決めておくと落ち着いて対応できます。
その場で金額の交渉に応じる必要はありません。「仲介会社を通じてご連絡します」と伝え、価格だけでなく引渡時期や契約条件も含めて仲介会社と比較検討してから判断して問題ありません。
本記事は、一般的な情報提供を目的としています。内覧対応の具体的な進め方は、物件の状況や仲介会社との取り決めによって異なります。
法令や制度は変更されることがあります。ご確認の際は、最新の情報をお確かめください。
内覧の日程調整や当日の案内、告知すべき内容の整理まで、イエリテがサポートします。南城市および沖縄県南部で不動産の売却をご検討の方は、査定のご相談とあわせてお気軽にお問い合わせください。

株式会社イエリテ 代表
沖縄県南城市出身。住宅建築設計や不動産実務の経験を活かし、土地・戸建て・空き家・相続不動産などの売却や活用をサポートしています。お客様一人ひとりの事情に寄り添い、売る・残す・活用するといった選択肢を分かりやすく整理してご提案します。
南城市や沖縄県南部の不動産について、お困りごとがあればお気軽にご相談ください。