

執筆・発行:株式会社イエリテ
公開日:2026年08月20日
最終更新日:2026年08月20日
情報確認日:2026年08月20日
家や土地を売却したあと、「確定申告は何から手を付ければよいのか」で立ち止まる方は少なくありません。譲渡所得税の仕組みは分かっても、実際の申告の手順や、揃えるべき書類まで具体的にイメージできている方は多くないはずです。
この記事では、不動産売却後の確定申告について、申告が必要になるケース、申告期間、必要書類、提出方法、税理士へ依頼する場合の実際の流れまでを整理します。税額の計算方法や3,000万円特別控除の要件そのものは、不動産を売ったときにかかる税金は?譲渡所得税と3,000万円特別控除の基本で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
この記事の目次

はじめて確定申告をする方向けに、売却後の大まかな流れを整理します。詳しい内容は、それぞれの見出しで説明します。
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売却後の確定申告の流れ
この記事では、この流れに沿って、申告の要否や申告期間、必要書類、提出・納付までを説明します。譲渡日の考え方は、後の「申告期間はいつからいつまでか」で詳しく取り上げます。
税金は「売った金額」ではなく「売って出た利益」にかかります。不動産を売却したあとの確定申告が必要かどうかは、譲渡所得(売った金額から取得費・譲渡費用を差し引いた利益)がプラスかマイナスかで、まず整理できます(出典:国税庁「不動産等を売却した方へ」確定申告特集)。
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注意点
3,000万円特別控除などの特例を使い、納める税額が0円になったとしても、確定申告をしなければ特例自体が認められません。「税金がかからないなら申告しなくてよい」という判断は誤りです。
不動産の譲渡所得の申告は、資産を「譲渡した日」の属する年の翌年に行います。譲渡日は原則として引渡日ですが、売買契約の効力発生日(一般には契約締結日)を譲渡日として申告することもできます(出典:国税庁「譲渡所得の申告期限」)。年をまたぐ契約・決済では、申告年や所有期間の区分(長期・短期)に影響することがあるため、契約前または申告前にご確認いただくと安心です。
申告期間は、原則として翌年2月16日から3月15日までです。3月15日が土曜・日曜・祝日にあたる年は、翌開庁日まで延長されます。
期限を過ぎてから気づいた場合でも、申告自体は可能です。ただし、期限後申告として扱われ、無申告加算税や延滞税が発生することがあります(詳しくは「申告が遅れた・忘れていた場合」で説明します)。
なお、マイホームの譲渡損失の損益通算・繰越控除などで還付申告となる場合は、2月15日以前でも申告できることがあります。

不動産の譲渡所得の申告で必要になる書類は、申告書に添える基本書類、計算・確認のために手元にそろえておく資料、特例を使う場合の追加書類に分かれます(出典:国税庁「A4-1 申告手続き(譲渡所得関係 申告書添付書類)」)。
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申告で基本となる書類
これらは申告書へ一律に添付する書類ではなく、計算の根拠として手元に保管しておく資料です。税務署から内容の確認のため提示・提出を求められることがあります。
マイホームを売って3,000万円特別控除を使う場合、基本の添付書類は譲渡所得の内訳書です。これに加えて、売買契約日の前日時点で住民票の住所と売却した家屋の所在地が異なる場合は、戸籍の附票の写しなど、居住していた事実を明らかにする書類が必要になることがあります(出典:国税庁「マイホームを売ったときの特例」)。
取得費が分からず概算取得費を使う場合や、相続で取得した不動産を売った場合は、揃える書類が変わることがあります。相続または遺贈で取得し、相続税が課税された不動産では、売却時期によって相続税額の一部を取得費に加算できる特例を検討できる場合があります。この特例には、相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までという期限があるため、相続した不動産は売買契約・引渡しの前に確認しておくことをお勧めします。適用には確定申告が必要で、「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」と「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]」などの提出が必要です。
売買契約書や取得時の領収書は、購入から年数が経っていると見つからないことがあります。取得費が分からない場合は、売った金額の5%を取得費とみなす「概算取得費」を使う方法があり、これは取得費の計算方法でも触れています。書類を探す段階で行き詰まった場合も、そこで手を止めずに税理士へ相談すると、対応の選択肢が見えてくることがあります。
申告書の提出方法は、主に次の3通りです(出典:国税庁「A4-1 申告手続き(譲渡所得関係 申告書添付書類)」)。
e-Taxは、確定申告書等作成コーナーを使ってスマートフォンから申告書を作成・提出できる方法として案内されています(出典:国税庁「不動産等を売却した方へ」確定申告特集)。譲渡所得の申告は添付書類も多くなりがちなため、e-Taxを使う場合も、事前に必要書類をデータ化しておくとスムーズです。
申告書の提出とは別に、納付税額がある場合は、原則として申告期限までに所得税及び復興特別所得税を納付します。e-Taxで申告書を送信しただけでは納付が完了したことにはなりません。振替納税、ダイレクト納付、インターネットバンキングなど、利用できる納付方法は国税庁の最新の案内で確認してください。申告後に税務署から納付書や納税通知書が送られるとは限らないため、申告時に納付方法まで決めておくと安心です(出典:国税庁「税金の納付」)。
南城市は、国税庁の管轄区分で那覇税務署の管轄区域に含まれます(出典:国税庁「那覇税務署(管轄区域)」)。
所得税の確定申告書は、提出時の納税地を所轄する税務署へ提出します。国内に住所がある方の納税地は、原則としてその住所地です(出典:国税庁「確定申告書の提出先(納税地)」)。したがって、南城市に住所がある方は、通常、那覇税務署が所轄税務署となります。
一方、南城市内の不動産を売却した場合でも、申告先は不動産の所在地ではなく、売主本人の住所地(納税地)を所轄する税務署です。たとえば、県外に住みながら相続などで取得した南城市の不動産を売却した場合は、南城市の不動産所在地ではなく、ご自身の住所地を所轄する税務署へ申告します。
南城市が実施する市民税・県民税の申告会場では、公共用地の収用等を除き、土地・建物等を売却した方の譲渡所得の確定申告は受け付けていません(出典:南城市「令和8年度 市民税・県民税(兼)国民健康保険税の申告について」)。この案内は南城市の申告会場を利用する方向けのものであり、南城市外にお住まいの方の所轄税務署を決めるものではありません。南城市にお住まいで、不動産売却について確定申告が必要な方は、那覇税務署を所轄税務署として、窓口・郵送またはe-Taxで申告します。
なお、所得税の確定申告書を提出すれば、市民税・県民税の申告は原則として別に行う必要はありません。ただし、譲渡所得が出た年の翌年度は、住民税や国民健康保険税などの負担が変わることがあります。金額の見通しは、南城市の担当窓口へご確認ください。
申告会場の設置場所、郵送先、受付方法などは年度によって変更されることがあります。申告する年の那覇税務署・国税庁の最新案内を確認してください。
譲渡所得の確定申告は、通常の給与所得の申告に比べて書類や計算が複雑になりやすく、税理士への依頼を検討する方もいます。
イエリテの実務から
当社がイエリテとして売却のお手伝いをした案件では、引渡しが終わった段階で、お客様から税理士への紹介を希望されることがあります。その場合、まず当社が把握している取引情報(売買契約書の写し、諸費用の明細など)を整理してお客様へお渡しし、そのうえで税理士に取得費や特例適用の判断を確認していただく、という流れになることがあります。個別の税額計算や特例の適用可否などの税務判断は、税理士または税務署に確認してください。当社は、取引資料の整理や税理士への紹介をお手伝いします。
税理士へ依頼する場合、次のような資料をあらかじめ整理しておくと、相談がスムーズに進みやすくなります。
申告期限を過ぎてから気づいた場合でも、期限後申告として確定申告を行うことができます。放置せず、気づいた時点でできるだけ早く、自主的に申告・納付することが基本です(出典:国税庁「確定申告を忘れたとき」)。
税務署による調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告をした場合でも、納付すべき税額があるときは、原則として無申告加算税が課されます。あわせて、法定納期限までに納付が終わっていない期間に応じた延滞税もかかります。
ただし、次のような一定の要件をすべて満たす場合は、無申告加算税がかからないことがあります。
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無申告加算税がかからない要件
「申告を忘れていた」と気づいた時点で、放置せずに早めに動くことが、負担を抑えることにつながります。
不動産売却後の確定申告は、譲渡所得がプラスになった場合や、特例を使う場合に必要になります。ポイントを整理します。
売却が完了した段階で、税理士への相談を検討している方は、まず売買契約書や諸費用の領収書を手元にまとめておくと、その後の相談がスムーズです。税額の計算や特例適用の可否は税理士の専門領域ですが、そこにたどり着くまでの資料整理や、専門家への橋渡しは、不動産会社にもお手伝いできることがあります。
期限後でも申告はできますが、申告内容等によって無申告加算税が課される場合があります。納付すべき税額があり、法定納期限を過ぎて納付する場合は延滞税も確認が必要です。詳しくは「申告が遅れた・忘れていた場合」をご覧ください。
可能です。確定申告書等作成コーナーから、スマートフォンでも申告書を作成・提出できます。譲渡所得の申告は添付書類が多くなりやすいため、事前のデータ化をお勧めします。
「概算取得費」(売った金額の5%)を取得費とみなして計算する方法があります。詳しくは譲渡所得税の計算方法をご覧ください。
決まった時期はありませんが、引渡しが終わった段階で相談を始めるとスムーズです。相続で取得した不動産や、年をまたぐ契約・決済など確認に時間がかかるケースは、契約前からのご相談をお勧めします。
本記事は、一般的な情報提供を目的としています。個別のケースによって、必要書類や申告方法、税額の判断は異なります。
売買取引資料の整理や、税理士への橋渡しについて、売却をご相談いただいた段階からサポートしています。個別の税額計算や税務相談そのものは税理士・税務署の領域となりますが、そこにたどり着くまでの資料整理はお手伝いできます。まだ売却を決めていない段階でも、お気軽にご相談ください。

株式会社イエリテ 代表
沖縄県南城市出身。住宅建築設計や不動産実務の経験を活かし、土地・戸建て・空き家・相続不動産などの売却や活用をサポートしています。お客様一人ひとりの事情に寄り添い、売る・残す・活用するといった選択肢を分かりやすく整理してご提案します。
査定だけのご相談でも構いません。現在の状況やご希望を丁寧にお伺いします。