


収入が減ったり、支出が増えたりして、住宅ローンの返済が苦しくなることがあります。返済日が近づくたびに気持ちが重くなり、どこへ相談すればよいか分からないまま時間が過ぎてしまうこともあります。
先にお伝えすると、返済が難しいと感じた時点で借入先の金融機関へ相談することが、選べる方法をいちばん広く保てる進め方です。
滞納が続いて競売の手続きに進むほど、取れる選択肢は少なくなっていきます。まだ滞納していない段階であれば、返済方法の変更や通常の売却を含めて、複数の対応を検討できます。
一方、任意売却は自分の判断だけで選べる方法ではありません。売却しても住宅ローンを完済できない場合に、抵当権を外すことについて債権者の同意を得て進める売却方法です。
この記事では、南城市など沖縄県南部で住宅ローンの返済に不安を感じている方に向けて、滞納が続くと何が起きるのか、任意売却とはどのような方法か、住まいを手放さない選択肢まで含めて整理します。
執筆・発行:株式会社イエリテ
公開日:2026年07月31日
最終更新日:2026年07月28日
情報確認日:2026年07月28日
この記事の目次
返済が滞ると、金融機関からの連絡に始まり、最終的には裁判所の競売手続きへ進むことがあります。段階が進むほど、選べる方法は限られていきます。
住宅ローンの返済が滞った場合、一般的には次のような順で進みます。
競売とは、債権者の申立てによって裁判所が債務者の財産を差し押さえてお金に換え、債権者に分配する「民事執行手続」の一つです(出典:裁判所「BIT不動産競売物件情報サイト」民事執行手続)。
どの段階まで何か月かかるかは、金融機関との契約内容や、その後のやり取りによって異なります。
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ポイント
期限の利益とは、決められた期日まで分割で返せばよいという、借りた側の利益のことです。
住宅ローンの契約では、返済が滞るなど一定の条件に当てはまった場合に、この期限の利益を失うと定められていることがあります。該当すると、残っている全額を一括で返すよう求められます。
どのような場合に該当するかは、金融機関との契約内容によって異なります。分割払いに戻せるかどうかも、その後の協議次第です。滞納の初期段階とは、状況が大きく変わります。
ローンの契約内容や返済状況は、個人信用情報機関に登録されています。
全国銀行協会が設置・運営する全国銀行個人信用情報センターでは、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む返済状況が、契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間登録されます(出典:一般社団法人 全国銀行協会「全国銀行個人信用情報センター センターの概要」)。
登録されている間は、新たな借り入れやクレジットカードの審査に影響する場合があります。
イエリテの実務から
当社では、金融機関からの連絡を避けず、まず現在の収入や返済状況を伝えることをおすすめしています。返せないと伝えるのは気が重いものですが、早めに事情を共有することで、返済方法の変更などを相談できる場合があります。連絡がないまま時間が過ぎると、状況を説明する機会そのものがなくなってしまいます。

まだ滞納していない、あるいは滞納が始まったばかりの段階では、住まいを手放さずに済む方法も含めて検討できます。
最初の相談先は、お金を借りている金融機関です。
住宅金融支援機構では、返済でお困りの方に向けて、返済方法の変更メニューが用意されています(出典:住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」)。
これらの手数料はかからないとされていますが、変更後も返済を続けられるかどうかの確認と審査があり、希望に沿えない場合もあります。具体的な手続きは、返済中の金融機関への連絡が入り口です。
民間の金融機関でも返済条件の変更に応じる場合がありますが、内容や条件は金融機関ごとに異なります。まずは借入先へ確認してください。
売却も選択肢の一つです。査定額が残債を上回れば、決済のタイミングでローンを完済し、抵当権を抹消して引き渡すという通常の売却ができます。
残債額と査定額の確認方法や、残債があるまま売却を進める流れは、住宅ローンが残っている家は売れる?南城市で確認したい売却の進め方で説明しています。査定の種類と見方は、不動産の売却査定とは?机上・訪問査定の違いと査定額の見方【南城市】をご覧ください。
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先に確認しておきたいこと
イエリテの実務から
当社へ寄せられるご相談では、返済の見通しに不安を感じながらも、どこへ相談すればよいか分からないまま時間が過ぎてしまうことがあります。滞納が始まる前であれば、通常の売却や返済方法の変更など、選べる方法が残っています。売ると決めていない段階でのご相談で構いません。
任意売却とは、裁判所の競売手続きによらずに、通常の不動産取引として住宅を売却する手続きのことです(出典:法テラス「住宅ローンの支払が困難です。自宅の任意売却という方法はどのようなものですか。」)。
住宅ローンが残っている不動産には抵当権が設定されており、買主へ引き渡すには抵当権を外す必要があります。
売却代金でローンを完済できない場合、抵当権を外してもらうには債権者の同意が欠かせません。ここが通常の売却と大きく異なる点です。
売却代金は住宅ローンの残額に充当されます。競売手続きよりも高い金額での取引が期待できるため、抵当権者が応じてくれる場合があります(出典:法テラス)。
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注意点
債権者の同意がなければ、任意売却は成立しません。売り出し価格についても、債権者の確認が必要になる場合があります。
住宅金融支援機構では、機構が確認していない価格で売り出して購入希望者を見つけても、抵当権抹消に応じられない場合があるとしています。自己判断で価格を決めて話を進めないことが大切です。
両者の違いは、価格の決まり方、引き渡し時期、費用の扱いに表れます。
| 項目 | 任意売却 | 競売 |
|---|---|---|
| 手続きの性質 | 売主と債権者の合意にもとづく通常の不動産取引 | 債権者の申立てによる裁判所の手続き |
| 価格 | 通常の売却活動で買主を探す。競売より高い金額での取引が期待できるとされる | 評価人の評価に基づいて裁判所が売却基準価額を定め、入札で決まる |
| 引き渡し時期 | 調整がしやすいとされる | 手続きの進行に沿って決まる |
| 物件情報 | 通常の売却活動として扱われる | 裁判所の不動産競売物件情報サイトで公開される |
出典:法テラス、住宅金融支援機構、裁判所(確認日:2026年07月28日)
競売では、評価人の評価に基づいて裁判所が「売却基準価額」を定めます(出典:裁判所「BIT不動産競売物件情報サイト」売却基準価額)。
入札の申出額は、売却基準価額からその20%に相当する額を控除した「買受可能価額」以上でなければなりません(出典:裁判所「BIT不動産競売物件情報サイト」買受可能価額)。
任意売却は通常の不動産取引として行うため、競売手続きより高い金額での取引が期待できるとされています(出典:住宅金融支援機構「融資住宅等の任意売却」)。
ただし、実際にいくらで売れるかは、物件の状態や売却時の市場によって変わります。任意売却であれば必ず高く売れる、というものではありません。
任意売却では、自宅の引き渡し時期を調整しやすく、退去後の生活設計を立てやすいとされています(出典:住宅金融支援機構)。
費用面では、状況により売却代金から不動産仲介手数料や抹消登記費用等を控除できる場合があり、残債務の状況等によっては延滞損害金の減額について相談に応じられる場合もあるとされています(出典:住宅金融支援機構)。
これは住宅金融支援機構の融資についての説明です。取り扱いは債権者によって異なるため、条件は個別に確認してください。

通常の売却に、債権者とのやり取りが加わります。手順を知っておくと、どこで時間がかかるかを見通せます。
住宅金融支援機構が示している任意売却の流れは、次のとおりです(出典:住宅金融支援機構)。
金融機関によって、必要な書類や確認の手順は異なります。売却全体の進み方は、不動産売却の流れを6ステップで解説|査定から引き渡しまで【南城市】も参考にしてください。
売却代金で足りなかった分の債務は、売却後も残ります。
売却代金は住宅ローンの返済に充てられるため、その分だけ残債額は減ります。ただし、完済できなかった債務が、任意売却をしたことによって自動的に免除されるわけではありません。
残った債務の返済方法は、債権者との協議になります。
生活の立て直しを含めて考える必要がある場合は、弁護士や法テラスへの相談も検討してください。

競売の申立てがあった後でも、任意売却が行われる場合はあります。
ただし、競売の手続きは期日に沿って進みます。使える時間は短くなり、応じてもらえるかどうかも債権者との協議次第です。
売却だけが解決方法ではありません。事情によっては、住まいを残したまま債務を整理できる場合があります。
個人再生では、住宅資金貸付債権に関する特則(住宅ローン特則)を用いることで、住宅を失わずに債務整理ができるとされています。ただし、住宅ローンについての返済総額は、他の借金のように減らすことはできません(出典:法テラス「個人再生のメリット・デメリットは何ですか。」)。
利用できるかどうかは、収入や債務の状況によって異なります。判断には法律の専門家の関与が必要になるため、弁護士や法テラスの窓口へご相談ください。弁護士費用等の立替制度についても、法テラスで確認できます。
売却の結果によって、税金の取り扱いが変わります。
売却で利益が出た場合は、マイホームの売却として一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例を使える可能性があります(出典:国税庁 タックスアンサーNo.3302「マイホームを売ったときの特例」)。
住宅ローンを残したまま売却して損失が出た場合には、譲渡損失を他の所得と損益通算し、控除しきれない分を繰り越せる特例を使える可能性があります(出典:国税庁 タックスアンサーNo.3390)。適用期限は、令和9年12月31日までの譲渡とされています(出典:国土交通省「住宅:居住用財産の譲渡に関する特例措置」、確認日:2026年07月28日)。
いずれも、所有期間・住宅ローン残高・譲渡先などの要件があります。適用できるかどうかの判断は、税理士または所轄の税務署へご確認ください。税金の全体像は、不動産を売ったときにかかる税金は?譲渡所得税と3,000万円特別控除の基本【南城市】で解説しています。
そうとは限りません。滞納の段階や債権者の対応によって、返済方法の変更、通常の売却、任意売却などを検討できる場合があります。ただし、手続きが進むほど選べる方法は少なくなります。まずは借入先の金融機関へ状況を伝えてください。
なくなりません。売却代金は住宅ローンの残額に充当されますが、足りなかった分の債務は残ります。残った債務の返済方法は債権者との協議になります。生活再建まで含めた相談は、弁護士や法テラスが窓口になります。
状況によります。申立て後に任意売却が行われる場合もありますが、競売の手続きは期日に沿って進むため、時間の余裕は小さくなります。応じてもらえるかどうかは、債権者との協議次第です。
競売物件の情報は公開されます。裁判所の不動産競売物件情報サイト(BIT)で、売却される物件の情報を誰でも閲覧できます。任意売却は通常の不動産取引として売却活動を行うため、扱いが異なります。

住宅ローンの返済が難しくなったとき、取れる方法は段階によって変わります。
返済を続けるか、売却するか、専門家へ相談するか。どの道を選ぶにしても、早い段階のほうが、選べる幅は広く残っています。
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次に行うこと
本記事は、一般的な情報提供を目的としています。返済の状況や債務の内容は、個別の事情によって大きく異なります。
返済に不安がある段階でも、状況の整理からお手伝いします
「売るかどうかは決めていないが、いくらで売れるのか知りたい」「金融機関にどう伝えればよいか分からない」という段階のご相談も歓迎です。
イエリテでは、査定額と残債額を比べ、通常の売却で完済できる見込みがあるか、任意売却について金融機関へ相談する必要があるかを整理します。返済条件の変更や抵当権抹消への同意は借入先の金融機関、債務整理などの法的な判断は弁護士や法テラスが窓口になるため、必要に応じて相談先をご案内します。
南城市および沖縄県南部の物件に対応しています。県外にお住まいの方からのご相談もお受けしています。

株式会社イエリテ 代表
沖縄県南城市出身。住宅建築設計や不動産実務の経験を活かし、土地・戸建て・空き家・相続不動産などの売却や活用をサポートしています。お客様一人ひとりの事情に寄り添い、売る・残す・活用するといった選択肢を分かりやすく整理してご提案します。
住宅ローンの返済に不安がある段階でも、状況の整理からお気軽にご相談ください。