

相続した実家に足を踏み入れると、家具や衣類、食器、書類などがそのまま残っていて、何から手をつければよいか分からなくなることがあります。売却や活用を考える以前に、まず家の中を片付けなければならないという壁に立ち止まってしまう方は少なくありません。
家財の片付けは、量が多いほど後回しにしたくなります。しかし売却や解体を考えている場合は、引き渡し日や工事の日程から逆算して進める必要があるため、早めに見通しを立てておいたほうが、そのあとの手続きがスムーズになります。
執筆・発行:株式会社イエリテ
公開日:2026年08月21日
最終更新日:2026年08月22日
情報確認日:2026年08月22日
この記事の目次
家財処分は、次の3つの段階に分けて考えると、迷わず進められます。
いきなり全部を片付けようとすると、途中で手が止まりやすくなります。まず「分ける」作業だけを先に終わらせ、そのあとで処分方法を決めるという順番のほうが、負担が軽くなります。
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先に結論
家財処分は「分ける→選ぶ→進める」の順で考えます。すべてを一度に終わらせようとせず、まず残す物と処分する物を仕分けることから始めると、そのあとの判断の軸がぶれません。

処分を始める前に、家の中にある物をおおまかに見渡し、量と中身を把握しておくと、そのあとの判断がしやすくなります。
処分を始める前に、次のような物は先に取り分けておきます。
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先に取り分けておきたい物
一度処分してしまうと取り戻せない物が多いため、家財全体を一気に処分するのではなく、先にこの仕分けだけを済ませておくと安心です。
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相続人が複数いる場合
遺産分割が終わるまで、相続財産は共同相続人全員の共有に属します(出典:e-Gov法令検索「民法」第898条)。遺産に属する家財を一人の判断で売却・廃棄すると、後の遺産分割や相続人間のトラブルにつながる可能性があります。特に貴金属・骨とう品・価値のある家具・形見などは、処分前に他の相続人と確認してから進めることをお勧めします。判断が分かれる場合は、弁護士にご相談ください。
相続財産の扱いでは、もうひとつ確認しておきたい論点があります。相続放棄を検討している場合の注意です。
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相続放棄を検討している場合
被相続人に借金がないか確認できていない場合や、相続放棄を検討している場合は、家財(特に貴金属など財産価値のある物)を処分する前に弁護士へご相談ください。相続財産を処分すると、相続を単純承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなることがあります(出典:e-Gov法令検索「民法」第921条)。
仏壇や位牌は、一般的な家財とは異なる考え方で承継されるため、この記事では扱いを最小限にとどめます。詳しい進め方は実家を売るとき仏壇(トートーメー)はどうする?をご確認ください。
家財の処分方法は、大きく分けて「自分で処分する」方法と「業者に依頼する」方法があります。
家財の量が少なければ、自治体のごみ収集や粗大ごみの制度を使って、自分で処分することもできます。
南城市の場合、家庭ごみは資源ごみ・もやすごみ・もやせないごみなどに分別して指定日に出し、粗大ごみは事前申し込みが必要です(出典:南城市「ごみの出し方」)。
なお、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機などの家電リサイクル法対象品目やパソコンは、市の収集対象外です。購入した販売店や買い替え先の販売店への引き取り依頼など、別の方法で処分します(出典:南城市「ごみの出し方」)。
引越しなどで大量のごみが出た場合は、南城市役所総合案内で「ごみ搬入承認申請書」を申請し確認印を受けたうえで、処理施設へ直接搬入する方法もあります。処理手数料は10kgあたり200円で、可燃ごみは東部環境美化センター、それ以外は島尻環境美化センターが搬入先です。家電リサイクル法対象品目・パソコン・処理困難物(車・タイヤ・バッテリー等)は、直接搬入もできません(出典:南城市「ごみの直接搬入について」)。
家財の量が多い場合、この方法だけで片付けるには何度も申し込みを繰り返すことになり、時間がかかります。
家財の量が多い、遠方に住んでいて何度も通えない、という場合は、不用品回収業者や遺品整理業者に依頼する方法があります。まとめて対応してもらえる分、自分で処分するより早く片付けられることが多い一方、費用がかかり、業者選びで確認すべき点も増えます。
業者に依頼する場合は、契約前に確認しておきたい点がいくつかあります。
家財の廃棄物としての処分は、廃棄物処理法上「一般廃棄物」の収集運搬にあたり、市町村長の許可を受けた業者でなければ、業として行うことができません(出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第7条)。
遺品整理や仕分け・清掃を行う事業者と、廃棄物を実際に収集・運搬する事業者が異なる場合があります。まず依頼先の事業者に、廃棄物を実際に収集・運搬するのは誰かを確認しましょう。家庭から出る廃棄物の収集・運搬には、一般廃棄物処理業(収集運搬)の許可、または市区町村からの委託が必要です。産業廃棄物処理業の許可を持っているというだけでは、家庭の廃棄物を収集・運搬できることにはなりません(出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。
国民生活センターは、市区町村の許可を受けずに不用品回収を行う事業者とのトラブルについて、注意を呼びかけています。安価な料金を提示しておきながら、作業後に高額な追加費用を請求されたという相談が寄せられています(出典:独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」2022年11月2日発表)。
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依頼前に確認したいこと
遺品整理サービスをめぐっても、料金や作業内容に関する契約トラブルが報告されています(出典:独立行政法人国民生活センター「遺品整理サービスでの契約トラブル」2018年7月19日発表)。作業後に想定外の追加料金を請求された、処分するつもりのなかった物まで処分されていた、といった相談内容が挙げられています。
依頼前に、次のことを書面やメールで確認しておくと、行き違いを防ぎやすくなります。
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契約前に確認したいこと
料金や対応範囲は業者によって差があります。1社だけで決めず、複数の業者から見積りを取り、料金だけでなく許可の有無や対応の丁寧さも含めて比べることをお勧めします。

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家財処分・片付けの業者を自分で探すのが不安な方へ
許可の有無や見積りの範囲まで自分で確かめながら業者を探すのは、負担の大きい作業です。家財処分・片付けの業者選びについて、内容や地域に応じて、イエリテがお付き合いのある事業者をご紹介できる場合があります。
売却や解体を予定している場合、家財処分は不動産の手続きとも関係してきます。
不動産を売却する場合、売買契約では売主が引き渡しまでに家財や残置物を撤去する条件とすることが多いものの、残置物をどう扱うかは買主との合意や売買契約の内容によって変わります。売却を予定しているなら、引き渡し日から逆算して家財処分のスケジュールを組んでおくと安心です。引き渡し前の確認事項は不動産売却の引渡し準備もあわせてご確認ください。
古家を解体してから土地として売却する場合も、解体工事の前に家財を撤去しておく必要があります。家財や残置物の量は解体費用にも影響することがあります。詳しくは古家付き土地は解体すべき?をご確認ください。
家財の量が多いと、「片付けが終わってから相談しよう」と考えて、そのまま時間が経ってしまうことがあります。しかし、片付けが終わっていない段階でもご相談いただけます。
イエリテの実務から
当社へ寄せられるご相談のなかには、家財が大量に残っていて、処分に時間や費用がかかったというケースがあります。そうした場合、当社ではまず現地の状況を確認したうえで、何を先に片付けるべきか、業者に依頼するならどの範囲を任せるかなど、処分の進め方を整理するところから一緒に考えるようにしています。片付けと売却の相談を同時に進めることで、スケジュールが立てやすくなることもあります。
実家をどうするか自体がまだ決まっていない場合は、相続した実家は残すべきか売るべきかも判断の材料としてご覧ください。
家の広さや家財の量、依頼する作業範囲によって大きく変わるため、一律の金額をお示しすることはできません。費用に影響する主な要因には、家財の量、建物の広さ、搬出経路や階段などの作業条件、大型家具・家電の有無、清掃など追加作業の範囲、買取可能な家財の有無などがあります。複数の業者から見積りを取り、作業範囲と金額の内訳を比較することをお勧めします。
ご相談いただけます。片付けが終わっていない段階でも、今後の進め方や処分方法とあわせてご相談いただくことができます。
県外にお住まいの相続人からのご相談も承っています。現地確認や業者手配について、来沖の回数を抑えられるよう相談内容に応じて対応方法をご案内します。
権利証・通帳・印鑑・保険証券などの書類、貴金属や骨とう品などは、処分の前に必ず取り分けておくことをお勧めします。判断に迷う物がある場合は、処分せずにいったん保管しておくと安全です。
家財の量と時間の余裕によって、向いている方法が変わります。量が少なく時間に余裕があれば自分で処分する方法も選べます。量が多い、遠方で何度も通えないという場合は、業者への依頼のほうが負担を抑えられることが多くなります。
本記事は、一般的な情報提供を目的としています。個別のケースによって、判断や手続きの内容は異なります。
「家財が残ったままでどうすればいいか分からない」「片付けと売却、どちらから始めればいいか分からない」という段階でも構いません。現地の状況を確認しながら、家財処分の進め方と売却の選択肢をあわせて整理します。

株式会社イエリテ 代表
沖縄県南城市出身。住宅建築設計や不動産実務の経験を活かし、土地・戸建て・空き家・相続不動産などの売却や活用をサポートしています。お客様一人ひとりの事情に寄り添い、売る・残す・活用するといった選択肢を分かりやすく整理してご提案します。
相続した不動産の扱いでお悩みの方は、状況を整理するところからお気軽にご相談ください。