

分譲マンションの一室を人に貸すと、これまで付き合ってきた「管理会社」とは別に、もう一つの管理の窓口が生まれます。管理組合が管理会社へ委託しており、さらにオーナーが賃貸管理会社へ委託するという一般的なかたちでは、二つの管理窓口が並行して動くことになります。片方は管理組合と契約している会社、もう片方はオーナー自身が契約する会社で、関係する法制度も、頼める仕事も違います。
一方で、賃貸を自主管理する場合、管理組合側が自主管理の場合、同じ会社が別々の契約で両方を受けている場合もあります。重要なのは会社の数ではなく、誰が誰とどの契約を結び、どの範囲を担当しているかです。
入居者から連絡が来たとき、共用廊下の照明が切れたとき、総会の招集通知が郵便で届いたとき。どちらへ言えばよいのかが分からないまま、とりあえず思いついたほうへ電話をかけてしまうと、話が止まってしまうことがあります。
当社へ寄せられるご相談でも、「管理会社に言ったのに動いてくれない」という内容をうかがってみると、実は連絡先が違っていた、というケースがありました。二つの管理は何がどう違うのか、そして困りごとの種類ごとに最初の連絡先をどう見分けるのか。区分所有法と国土交通省のマンション標準管理規約の定めから順に見ていきます。
執筆・発行:株式会社イエリテ
公開日:2026年9月2日
情報確認日:2026年9月2日
この記事の目次

分譲マンションを貸すオーナーには、性格の違う二つの「管理」が同時にかかってきます。
一つめは、マンション全体の管理です。建物の共用部分や敷地を維持していく仕事で、契約している主体はオーナー個人ではなく管理組合です。この仕事を受託している会社は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)でいうマンション管理業者にあたります。同法2条6号は、管理業者が行う基幹事務を「管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整」と定めています(出典:マンションの管理の適正化の推進に関する法律)。条文にはっきり「専有部分を除く」と書かれている点が重要です。
二つめは、オーナー側の賃貸管理です。専有部分の維持保全や家賃等の管理、入居者への対応などを委託するもので、契約するのはオーナー自身です。賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)2条2項は、この法律でいう管理業務を、賃貸人から委託を受けて行う賃貸住宅の維持保全と、これと併せて行う家賃・敷金・共益費その他の金銭の管理と定めています(出典:賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)。
なお、入居者の募集や賃貸借契約の代理・媒介は、この2条2項の管理業務とは別の領域で、宅地建物取引業法が関係します。同法2条2号は、建物の貸借の代理・媒介を業として行うことを宅地建物取引業と定めています。実務では同じ会社が募集も入居後の管理もまとめて扱うことが多いのですが、適用される法律と法定の業務範囲は同じではありません。また、賃貸住宅管理業の登録は、管理戸数200戸以上の事業者に義務づけられており(賃貸住宅管理業法3条1項ただし書、同法施行規則3条)、200戸未満の事業者は任意の登録です。委託先がすべて登録業者とは限りません。
つまり、二つの管理は契約している相手が違います。
| 管理組合側の管理(マンション管理会社) | オーナー側の賃貸管理(賃貸管理会社) | |
|---|---|---|
| 契約相手 | 管理組合 | オーナー(あなた) |
| 主な法制度 | マンション管理適正化法 | 維持保全・金銭管理は賃貸住宅管理業法/募集・賃貸借の代理・媒介は宅地建物取引業法 |
| 対象になる範囲 | 共用部分・敷地(専有部分を除く) | 専有部分の維持保全・家賃等の管理、入居者対応など(具体的な範囲はオーナーとの委託契約による) |
| 主な仕事 | 組合の会計、共用部分の維持・修繕の企画と調整 | 専有部分の点検・修繕、家賃等の管理、入居者対応。募集・契約手続を併せて依頼する場合もある |
| オーナーからの指示 | 直接は指示できない(決めるのは総会・理事会) | 委託契約の範囲で依頼できる |
同じ「管理会社」という呼び方でも、片方はあなたの委託先ですが、もう片方はあなたの委託先ではありません。給湯器など専有部分の設備が原因の不具合なら、原則としてオーナー側の賃貸管理で対応することになります。一方、水漏れの原因が共用部分の配管にある場合や、原因が分からず他の住戸へ被害が広がりかねない緊急時には、管理組合側との連携が必要です。逆に、賃貸管理会社に共用廊下の照明を直してほしいと頼んでも、その会社に権限はありません。
💡
先に結論
困りごとが起きたら、原因が専有部分にあるのか共用部分にあるのかで連絡先を分けます。専有部分が原因なら原則としてオーナー側の賃貸管理、共用部分が原因なら管理組合側です。室内で起きた不具合でも、原因が共用部分にあることがあります。
イエリテの実務から
当社へ寄せられたご相談で、オーナーが「管理会社は一つだと思っていた」とおっしゃったことがありました。分譲マンションを購入したときから管理組合の管理会社と付き合いがあるため、貸し出したあともその会社が窓口を続けてくれると考えていた、という経緯でした。実際には二つの契約が並行して動いているので、まず自分がどちらと契約しているのかを確かめるところから整理しました。
なお、住宅ローンが残っているマンションを貸す場合は、この二つの管理とは別に、金融機関への確認という論点があります。ローンや税金の扱いは住宅ローン中の分譲マンションは貸せるかで扱っていますので、貸すかどうかを検討している段階の方はそちらをご覧ください。
もう一つ、取り違えやすいのが管理規約の効き方です。「規約は所有者のルールだから、借りている人には関係ない」と考えてしまうと、入居者が規約に反する使い方をしたときに対応が遅れます。
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)46条2項は、占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う、と定めています(出典:建物の区分所有等に関する法律)。
ここでいう占有者には、部屋を借りて住んでいる入居者が含まれます。つまり、ごみ出しの方法、駐車場やバイク置き場の使い方、ペットの可否、バルコニーの使い方といった使用方法についてのルールは、入居者にもそのまま及びます。総会で決まった使用細則の変更も同じです。
!
ここに注意
条文が「使用方法につき」と限定している点は落とせません。規約に定めのあることが何でも入居者の義務になるわけではなく、たとえば管理費の支払いのような金銭的な義務まで入居者に移るわけではありません。
また、区分所有法6条1項は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理や使用に関して区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならないと定め、同条3項がこの規定を占有者に準用しています。入居者自身も、法律上、直接この義務を負っているという構造です。
では、入居者に規約を守らせるのは誰の役目でしょうか。国土交通省が示しているマンション標準管理規約(単棟型)は、令和7年10月17日改正版の19条で、専有部分を貸すときの区分所有者の責任を次のように定めています。
標準管理規約は国土交通省が示すモデル(ひな型)であり、法令そのものではありません。実際に誓約書や届出が必要かどうか、様式がどうなっているかは、そのマンションの現在の規約と使用細則によります。多くの管理組合がこのモデルを参考にしていますが、条文の番号も内容も同じとは限らないため、自分のマンションの規約を実際に読んで確かめることが出発点になります。

日々の困りごとをどちらへ持っていくかは、その原因が専有部分にあるのか、共用部分にあるのかで切り分けると整理しやすくなります。
区分所有法2条3項は専有部分を区分所有権の目的である建物の部分、同条4項は共用部分を専有部分以外の建物の部分などと定義しています。そして共用部分の管理に関する事項は、18条1項により、原則として集会(総会)の決議で決めることになっています。ここがオーナー個人の判断で動かせない部分です。
| 困りごとの例 | 原因の位置 | 最初の連絡先 |
|---|---|---|
| 室内の給湯器・エアコンが動かない | 専有部分 | 賃貸管理会社(自主管理ならオーナー) |
| 室内の設備から水漏れしている | 専有部分の可能性が高い | 賃貸管理会社。原因が共用部分の配管なら管理組合側へ引き継ぐ |
| 共用廊下・階段の照明が切れている | 共用部分 | 管理組合(マンション管理会社) |
| エレベーター・オートロックの不具合 | 共用部分 | 管理組合(マンション管理会社) |
| 入居者どうしの騒音・ごみ出しの苦情 | 使用方法の問題 | 賃貸管理会社(規約違反なら管理組合へも共有) |
| 家賃が入金されない | 賃貸借契約の問題 | 賃貸管理会社 |
判断が難しいのは、窓のサッシ、玄関扉、バルコニー、床下や壁の中を通る配管です。これらがどちらに属するかは、区分所有法の定義だけでは決まらず、規約共用部分の定めや配管の位置によって変わります。「サッシは必ず共用部分」といった覚え方は当てになりません。迷ったときは、管理規約の共用部分の範囲を定めた条項と、別表があればその別表を確認し、それでもはっきりしなければ管理組合の理事会または管理会社へ照会するのが確実です。
なお、貸している部屋の設備が壊れたときの貸主としての修繕義務や費用の負担は、分譲マンションでも戸建てでも考え方は共通です。詳しくは賃貸物件の水漏れ・設備故障が起きたときの貸主対応をご覧ください。
入居者がペット禁止の規約に反して犬を飼っている、ごみを決められた場所以外に出している、といった連絡が管理組合から入ることがあります。このとき、オーナーが「借主のしたことなので、こちらでは分からない」と返してしまうと、話がこじれる方向へ進みます。
標準管理規約19条1項が、規約を第三者に遵守させる責任を区分所有者に負わせていることは先に述べたとおりです。標準管理規約67条2項も、区分所有者は、その同居人や専有部分の貸与を受けた者が法令・規約・使用細則に違反したときは、その是正等のため必要な措置を講じなければならないとしています。つまり、まず動くべき立場にいるのはオーナー側です。
実務的な順番としては、次のようになります。
管理組合の側にも法律上の手段があります。区分所有法57条1項は、共同の利益に反する行為の停止等の請求を定め、同条4項でこれを占有者にも準用しています。この請求について訴訟を提起するには、同条2項により集会の決議が必要です。
さらに、60条1項は最終手段として、共同生活上の障害が著しく、他の方法によっては障害を除去できないときに、区分所有者全員または管理組合法人が、集会の決議にもとづき訴えをもって、占有者が占有する専有部分の使用・収益を目的とする契約の解除とその専有部分の引渡しを請求できるとしています。
つまり、法律上は、オーナーが結んだ賃貸借契約が管理組合側の訴えによって解除されることがある、という構造になっています。ただしこれは決議さえあれば直ちに実行できるものではありません。60条2項が58条2項・3項を準用しているため、集会での特別多数の決議と、あらかじめ弁明の機会を与えることが必要で、そのうえで裁判所の判決を得る必要があります。制度としては存在しますが、手続きは厳格です。
なお、これらの決議の要件は、後述する令和6年の区分所有法改正の影響を受ける部分です。実際に手続きが動き出す場面では、現行法と自分のマンションの規約の両方を確認してください。
読者として押さえておきたいのは、この最終手段を使う段階まで進む前に、規約違反の連絡を受けた時点でオーナー自身が動ける、ということです。入居者どうしの騒音やごみ出しの苦情への具体的な対応の進め方は、賃貸経営の騒音・ゴミ出しトラブルの対応で扱っています。
「管理費と修繕積立金の分を家賃に上乗せしているので、実質的には入居者が払っている」という受け止め方をされることがあります。金額の流れとしてはそのとおりでも、管理組合に対して支払う義務を負っているのは、あくまで区分所有者であるオーナーです。
区分所有法19条は、各共有者は規約に別段の定めがない限り、その持分に応じて共用部分の負担に任ずると定めています。先ほどの46条2項が、入居者に及ぶ義務を「使用方法につき」と限定していることとも整合します。入居者との間でどう精算していても、それはオーナーと入居者の間の取り決めであって、管理組合から見た請求先はオーナーのままです。
滞納したときの効果もオーナー側に返ってきます。管理費等の債権は共用部分等について先取特権で担保され(7条1項)、8条は、この債権を債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができると定めています。将来その部屋を売ったとき、滞納分を買主へ請求できてしまうということで、売却時の価格交渉や引渡しの条件にも影響します。
貸したあとの収支の考え方や、管理費・修繕積立金を含めた毎月の支出の見方は住宅ローン中の分譲マンションは貸せるかで扱っています。
貸したあとも、総会の招集通知はオーナーのもとへ届きます。議決権を持っているのは区分所有者であり、区分所有法38条は、各区分所有者の議決権は規約に別段の定めがない限り14条に定める割合によるとしています。入居者には、入居者自身の立場での議決権はありません。
一方で、区分所有法39条2項は、議決権は書面または代理人によっても行使することができると定めています。つまり、入居者に固有の議決権がないことと、区分所有者の代理人として議決権を行使できるかどうかは、別の話です。誰を代理人にできるかは管理規約によります。標準管理規約46条5項では、代理人になれる者を、組合員の配偶者または一親等の親族、その住戸に同居する親族、他の組合員、国内管理人に限定しており、一般の入居者は通常この列挙に含まれません。標準管理規約はモデルですので、実際の代理人資格は自分のマンションの現行規約で確認してください。
入居者にも関われる場面はあります。44条1項は、区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的である事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができると定めています。あくまで意見を述べる権利で、議決権ではありません。同条2項は、この場合に集会を招集する者が、集会の日時・場所・会議の目的である事項・議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならないとしています。
県外や本島北部にお住まいで総会に出席しづらい場合は、規約に定められた議決権行使書や委任状の扱いを確認しておくと、大規模修繕や使用細則の変更など、貸し方に影響する議案に意思表示ができます。共用部分の管理は18条1項により総会の決議で決まるため、出席しないことは、自分の部屋の貸し方に関わる決定に関与しないことを意味します。
なお、区分所有法は令和6年の改正法が令和8年4月1日に施行されており、集会の決議に関する規定にも改正が入っています。決議要件の数字を改正前の解説で確認すると現行法と食い違うことがあるため、総会の議案で決議要件が問題になる場面では、管理組合または管理会社に現行の取扱いを確認してください。
これから貸そうとしている段階なら、募集を始める前に次を確認しておくと、貸したあとの手戻りが減ります。
✓
募集前に確認すること
室内をリフォームしてから貸す場合は、もう一段の確認が必要です。標準管理規約17条1項は、共用部分または他の専有部分に影響を与えるおそれのある修繕・模様替え等について、あらかじめ理事長に申請し書面による承認を受けなければならないとしています。床材の変更や間取りの変更が該当することがあります。
また、共用部分の工事で室内へ立ち入る場面もあります。標準管理規約23条1項は、管理を行う者が管理に必要な範囲内で専有部分等への立入りを請求できるとし、2項は請求された者は正当な理由がなければ拒否してはならないとしています。4項では、災害・事故等の緊急時に理事長が自ら立ち入ることができる場合を定めています。入居者に協力してもらう場面が出てくるため、賃貸借契約や入居時の説明で触れておくと行き違いが減ります。
これらはいずれも標準管理規約の定めであり、そのマンションで同じ内容になっているとは限りません。根拠にするのは、必ず自分のマンションの現行規約です。
貸すと決めたあとの契約形態や募集条件については、普通借家契約と定期借家契約の違い、入居者募集の条件の決め方もあわせてご覧ください。
沖縄県は、マンションの管理の適正化を進めるための「沖縄県マンション管理適正化推進計画」を策定しています。この計画にもとづくマンション管理計画認定制度について、県は令和5年4月から町村部を対象に申請を受け付けており、県のページでは「各市内における本制度については、各市役所所管課あてご連絡ください」と案内されています(出典:沖縄県マンション管理計画認定制度)。南城市は市であるため、市内のマンションについては南城市の所管課が窓口になります。南城市が推進計画を策定しているかどうかは今回確認できなかったため、該当する場合は市へ直接お問い合わせください。管理・修繕・耐震化などの一般的な相談窓口としては、沖縄県土木建築部住宅課が案内されています。
地域の事情としては、台風の前後で共用部分の状態を確認する場面が出てきます。飛散物による共用廊下やエントランスの破損、停電後の給水ポンプやオートロックの復旧などは共用部分の話なので、対応の主体は管理組合側です。オーナーとして直接手配できる範囲ではないため、入居者から連絡が来たときに「管理組合側へ確認します」と返せるよう、管理会社の緊急連絡先を賃貸管理会社とも共有しておくと、初動が早くなります。
また、県外にお住まいのまま沖縄のマンションを貸しているオーナーの場合、総会の通知や管理組合からの連絡が届く住所を、管理組合へ届け出た住所のまま更新していないことがあります。転居後の住所変更を管理組合へ届け出ておかないと、規約違反の連絡や大規模修繕の議案が手元に届かないことになります。
管理組合との関係で支払義務を負っているのは区分所有者であるオーナーです。区分所有法19条がその根拠です(出典:建物の区分所有等に関する法律)。入居者が振り込む運用にしていても、滞納があればオーナーが請求を受ける立場は変わりません。入金の有無を自分で把握できる形にしておくことをお勧めします。
会社によっては引き受けている場合がありますが、その場合も別の契約になります。管理組合との管理委託契約とは主体が違うためです。契約書が二通あるか、委託した業務の範囲がどちらの契約に書かれているかを確認してください。管理委託料に含まれる業務と別費用になる業務の見方はアパート管理会社の仕事内容が参考になります。
規約の定めによります。役員の資格要件は規約で定められており、居住していることを要件にしているマンションもあれば、区分所有者であれば就任できるとしているマンションもあります。まず自分のマンションの規約の役員の資格に関する条項を確認し、辞退や代理の可否は理事会または管理会社へ相談してください。
まず現行規約の定めを確認したうえで、管理会社へ現状を伝えることをお勧めします。標準管理規約19条3項に対応する定めがあるマンションでは、借用した旨の届出を提出させることになっています。届出がないと、緊急時の連絡先が管理組合側で分からず、水漏れなどの際に対応が遅れることがあります。
一室だけであれば自主管理を選ぶオーナーもいます。判断材料は戸建てを貸す場合と近く、入居者対応にどれだけ時間を割けるか、遠方に住んでいるかどうかが分かれ目になります。考え方は自主管理と管理委託の選び方を参考にしてください。ただし分譲マンションでは、共用部分の話が管理組合側にある分、自主管理でも自分で対応する範囲は一棟のアパートより限られます。
分譲マンションを貸すと、管理組合が契約する管理と、オーナー自身が契約する賃貸管理という、契約相手も関係する法制度も違う二つの管理系統が並行します。委託先が2社になるか1社になるか、自主管理かはマンションと契約次第で、大事なのは会社の数ではなく、誰がどの契約でどの範囲を担当しているかです。そのうえで、困りごとが専有部分から生じているのか共用部分から生じているのかで、最初の連絡先が変わります。
管理規約と総会の決議は、使用方法に関するかぎり入居者にも及びます(区分所有法46条2項)。そして標準管理規約では、規約を入居者に守らせる責任は区分所有者に置かれています。規約違反の連絡が来たときに最初に動くのはオーナー側だ、という前提で構えておくと、対応が遅れません。
次に行うこととしては、自分のマンションの現行の管理規約と使用細則を取り寄せて、賃貸に出すときの届出の要否、ペット・駐車場・ごみ出しのルール、共用部分の範囲の定めを確認することをお勧めします。この3点が分かれば、募集条件も入居者への説明も組み立てられます。
貸すか売るかをまだ決めていない段階であれば、アパート経営を続けるか売るかの考え方も参考になります。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法的判断・税務判断を行うものではありません。管理規約・使用細則の内容はマンションごとに異なり、法令も改正されることがあります。実際の取扱いは、お手元の管理規約と管理組合・管理会社への確認、必要に応じて弁護士・司法書士・税理士など各分野の専門家へのご相談をお願いいたします。
管理規約のどこを見ればよいか、届出が必要かどうか、共用部分の範囲がどこまでかは、マンションごとに異なります。規約の確認の進め方を一緒に整理しながら、貸す・売る・そのまま持つといった選択肢を並べるところからお手伝いします。まだ貸すと決めていない段階でもご相談いただけます。

株式会社イエリテ 代表
沖縄県南城市出身。住宅建築設計や不動産実務の経験を活かし、土地・戸建て・空き家・相続不動産などの売却や活用をサポートしています。お客様一人ひとりの事情に寄り添い、売る・残す・活用するといった選択肢を分かりやすく整理してご提案します。
売却だけでなく、賃貸や管理を含めた活用方法についてもご相談いただけます。