

アパートの管理を会社へ任せていると、毎月の管理委託料は引かれているのに、修繕や退去のたびに別の請求書が届くことがあります。「この管理料は、いったい何の代金なのだろう」と感じたことのあるオーナー様もいらっしゃると思います。
当社へ寄せられるご相談でも、管理会社への不満というより、どこまでが委託した仕事で、どこからが自分の負担なのかが分からないという戸惑いから始まることがあります。そして契約書を一緒に開いてみると、その線引きは最初からきちんと書かれていた、ということも起こります。
先にお伝えすると、管理会社の仕事は「毎月の管理委託料で行う業務」と「その都度、別の費用が発生する業務」に分かれています。どの業務を委託し、毎月の管理委託料に何を含め、何を別費用とするかは、基本的に管理受託契約で定めます。ただし、入居者募集の仲介手数料のように、費目によっては法令上の規制がある部分もあります。
賃貸住宅管理業法が主に定めているのは、業務の範囲そのものよりも、会社が守るべき手続き(説明・書面・報告など)です。だからこそ、実際の線引きは契約書を見ないと分かりません。
この記事では、アパートの管理会社が実際に行っている業務を4つに整理したうえで、賃貸住宅管理業法が定める「管理業務」との関係、費用の線引き、契約書のどこを見ればよいかまでを、南城市で不動産業を営む立場からご説明します。管理会社の選び方や変更の手順は別の記事で扱っているため、ここでは業務の中身と費用に絞ります。
執筆・発行:株式会社イエリテ
公開日:2026年8月26日
情報確認日:2026年8月26日
この記事の目次
管理会社の業務は会社ごとに違いますが、内容を並べ替えると、おおむね次の4つの領域に収まります。この4つのうち、どれをどこまで委託するかを決めるのが管理受託契約です。
空室が出たときに募集条件を整え、募集情報を出し、内見に対応し、入居申込みを受けて審査を行い、賃貸借契約を結ぶまでの業務です。
このうち、入居者との賃貸借契約を成立させる仲立ち(媒介)は、宅地建物取引業に当たります。宅地建物取引業法第2条第2号は、宅地・建物の「貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うもの」を宅地建物取引業と定めています。つまり、募集と契約手続きは、後で説明する賃貸住宅管理業法の「管理業務」とは別の法律で規律されている仕事です。
入居審査の中身については、アパート・マンションの入居審査の考え方で詳しく扱っています。
入居者から家賃・共益費を集め、管理委託料などを差し引いてオーナーへ送金し、入金状況を管理する業務です。入金がない場合の連絡・督促もここに含まれます。
家賃の集金と送金は、管理会社の業務のなかでもオーナーのお金を直接預かる部分です。そのため後で述べるとおり、法律上の分別管理の対象になっています。
滞納が起きたときの手順は、家賃滞納が起きたときの対応手順にまとめています。
共用部の清掃、電球や共用灯の交換、建物の巡回・点検、設備が壊れたときの業者手配などです。賃貸住宅管理業法が「維持保全」と呼んでいるのは、この領域です。これらを委託せずに自分で回す場合の担い手と費用の考え方は、アパートの共用部の掃除と共用灯は誰がやるかをご覧ください。
修繕は、原則としてオーナー側で判断し、費用も負担します。ただし、修繕が必要になった原因や、管理受託契約で管理会社にどこまで手配の権限を与えているか(一定額までは事前の承認なしで手配する、緊急時は先に対応するなど)によって、実際の進み方も最終的な負担者も変わります。この点は後ろの章で改めて整理します。
設備の故障や水漏れが起きたときの流れは、賃貸物件の水漏れ・設備故障が起きたときの貸主対応でご確認いただけます。
入居者からの問い合わせ・要望・苦情への対応、入居者同士のトラブルの間に入る対応、退去の申し出を受けてからの立会い、敷金の精算、原状回復の負担区分の調整などです。
騒音やゴミ出しをめぐる対応は賃貸経営の騒音・ゴミ出しトラブルへの対応、退去までの流れは解約・退去・明渡しの流れとスケジュールで扱っています。

「管理会社の仕事=上の4つ全部」と考えると、法律の説明とかみ合わなくなります。賃貸住宅管理業法がいう「管理業務」は、上の4つのうち一部だけを指しています。
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)第2条第2項は、賃貸住宅管理業を「賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて、次に掲げる業務(管理業務)を行う事業」と定め、次の2つを挙げています。
ここで注目したいのは、第2号のかっこ書きです。金銭の管理は、維持保全と併せて行う場合に限って管理業務になります。家賃の集金だけを引き受けている場合は、この法律でいう管理業務には当たりません。
そして、入居者の募集と賃貸借契約の媒介は、この第2条第2項のどちらにも書かれていません。募集は宅地建物取引業法の側の仕事です。
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用語の整理
「管理業務」という言葉は、日常会話では管理会社がしてくれること全般を指しますが、賃貸住宅管理業法では維持保全と金銭管理の2つに限定されています。契約書や重要事項説明書に出てくる「管理業務」がどちらの意味かは、その書面の中で確認してください。
同法第3条第1項は「賃貸住宅管理業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない」と定め、ただし書で、事業の規模が国土交通省令で定める規模未満のときは登録が不要としています。この規模は、同法施行規則第3条で「賃貸住宅管理業に係る賃貸住宅の戸数が二百戸であること」と定められています。
つまり、管理戸数が200戸未満の会社には登録の義務がありません。ただし、登録を受けること自体は可能で、国土交通省は事業規模が小さい場合でも登録を受けることが望ましいとしています(国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト 制度解説」)。登録は5年ごとに更新を受けなければ効力を失います(同法第3条第2項)。
この登録の有無で、次に説明する法律上の義務がかかるかどうかが変わります。同法が「賃貸住宅管理業者」と呼んでいるのは登録を受けて賃貸住宅管理業を営む者のことで(同法第2条第3項)、以下の義務はその賃貸住宅管理業者に課されています。
賃貸住宅管理業者には、次のような義務があります。オーナーの側から見ると、契約前・契約時・契約中に受け取れるはずの説明や書面にあたります。
| 場面 | 義務の内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 会社の体制 | 営業所・事務所ごとに1人以上の業務管理者を選任する | 法第12条第1項 |
| 契約前 | 管理受託契約を締結するまでに、契約の内容と履行に関する事項を書面を交付して説明する | 法第13条第1項 |
| 契約時 | 契約を締結したときは、遅滞なく所定の事項を記載した書面を交付する | 法第14条第1項 |
| 業務中 | 委託を受けた管理業務の全部を他の者に再委託してはならない | 法第15条 |
| 業務中 | 受領した家賃・敷金・共益費などを、自己の固有財産や他の契約に基づく金銭と分別して管理する | 法第16条 |
| 業務中 | 営業所・事務所ごとに業務に関する帳簿を備え付け、保存する | 法第18条 |
| 業務中 | 営業所・事務所ごとに、公衆の見やすい場所へ標識を掲げる | 法第19条 |
| 委託中 | 管理業務の実施状況などについて、定期的に委託者へ報告する | 法第20条 |
なお、契約前の書面(法第13条第1項)と契約時の書面(法第14条第1項)は、いずれも委託者の承諾を得たうえで、電磁的方法(電子データ)による提供に代えることが認められています(法第13条第2項、第14条第2項)。書面が紙で届かないこと自体が、ただちに法令違反になるわけではありません。
定期報告の頻度と内容は、同法施行規則第40条第1項に定められています。管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごとに、および管理受託契約の期間の満了後遅滞なく、管理業務報告書を作成して委託者へ交付し、説明することとされています。記載事項は、報告の対象となる期間、管理業務の実施状況、入居者からの苦情の発生状況および対応状況の3つです。
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注意点
これらは、法律上は登録を受けた賃貸住宅管理業者に課された義務です。管理戸数200戸未満で登録を受けていない会社に、この法律上の義務が及ぶわけではありません。委託先が登録業者かどうかは、標識や重要事項説明書の登録番号で確認できます。
登録がない会社が信頼できないという意味ではありませんが、書面や報告をどう行うかは契約で取り決めておくほうが安心です。
ここは、ご相談のなかで認識の食い違いが起きることのある部分です。毎月の管理報酬と、修繕や募集のたびに発生する個別の費用を、分けて定めている契約があります。どちらの扱いになるかは契約ごとに違うため、費目ごとに契約書で確かめることになります。
毎月の管理報酬の対象として定められることがあるのは、次のような継続的な業務です。
このうち管理業務報告書については、登録を受けた賃貸住宅管理業者に法第20条の報告義務があります。報告そのものは料金体系とは別に法律で課されるもので、報告があることが「管理委託料に何が含まれるか」を示すわけではありません。
また、上の一覧は法律で決まっているものではありません。清掃を管理報酬の中で行う会社もあれば、清掃だけ別契約にする会社もあります。同じ料率でも中身が違うことがあるのは、このためです。
一方、次のものは、毎月の管理報酬とは別の費用として定められることのある代表例です。
いずれについても、最終的にどちらの扱いになっているかは、管理受託契約書の「管理業務の実施方法」と「報酬に関する事項」で確認してください。
別請求そのものが不当というわけではなく、その費目が契約書で管理委託料の外に置かれているかどうかが判断の起点になります。手元の管理受託契約書と請求書を並べて、次の順に見ると整理しやすくなります。
契約書に書かれていない費目の請求を受けたときは、支払う前に根拠を確認して構いません。確認しにくいと感じる場合は、その費目が発生した経緯(誰の依頼で、いつ、どの業者が行った作業か)から聞いてみてください。請求以外にも対応や報告に納得できない点が続く場合の切り分け方は、賃貸の管理会社に不満があるとき|改善を求めるか、変更するかを分ける考え方にまとめています。
当社へ寄せられるご相談では、次の3つについて認識の違いが起きることがあります。いずれも、契約書に書かれていないことを期待してしまっている、という形です。
管理を委託しているだけでは、入居者が家賃を滞納したときに管理会社が家賃を補填してくれるわけではありません。
賃貸住宅管理業法第2条第2項第2号がいう金銭の管理は、集金・送金・督促といった事務であり、入居者の家賃債務を保証する仕組みではありません。滞納があったときにオーナーへ家賃相当額が入る仕組みとしては、たとえば次のものが挙げられます。
これらは法的な仕組みがそれぞれ異なり、支払われる範囲・時期・手続きも同じではありません。保証会社と保証人はどちらも賃借人の債務を担保するものですが、契約の当事者も対象範囲も別です。サブリースにいたっては、そもそもオーナーの契約相手が入居者ではなく転貸事業者になります。
なお、家賃債務保証業には国土交通省の登録制度がありますが、同省は「これは任意の登録制度であり、登録をしなくても家賃債務保証業を営むことは可能です」と示しています(国土交通省「家賃債務保証業者登録制度」)。自分の物件でどの仕組みが使われているか、どこまで支払われるかは、賃貸借契約・保証に関する契約・管理受託契約のそれぞれを確認してください。
巡回や清掃の頻度・範囲について、法令上の基準はありません。週に何回か、月に何回か、どこまでを清掃の範囲とするかは、すべて管理受託契約の定めによります。
管理員が常駐する契約と、決められた頻度で巡回する契約では、費用も対応の速さも変わります。「ゴミ置き場の整理は範囲内だが、敷地内の草刈りは別費用」といった線引きが設けられていることもあります。ご相談では、この範囲を確認しないまま「管理を頼んでいるのに敷地が荒れている」と感じてしまっている場面がありました。なお、草刈りの費用を貸主と借主のどちらが負担するかという前提の整理は、賃貸物件の草刈り・庭木の手入れは誰の負担?貸主と借主の分け方をご覧ください。
修繕にかかる費用は、原則としてオーナーの負担です。
民法第606条第1項は「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定め、ただし書で「賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない」としています。つまり、入居者の責任で壊れた場合を除き、修繕義務は貸主にあります。
管理会社が行うのは、故障の受付、業者の手配、見積りの取得、工事の立会いといった実務であり、工事代金は別に発生します。管理会社が実際に加わる場面と費用負担の考え方は、賃貸物件の水漏れ・設備故障が起きたときの貸主対応でも整理しています。
退去時の原状回復についても同じで、費用のうち入居者に負担してもらえる範囲には法律上の限界があります。民法第621条は、賃借人が原状回復義務を負う範囲から「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化」を除いています。国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(平成23年8月再改訂版)は、この考え方を整理した指針ですが、それ自体に法的拘束力があるものではありません。負担区分の詳しい考え方は、貸主が知っておきたい原状回復のルールをご覧ください。
同じ「管理を任せる」でも、法律上は別のしくみが2つあります。
管理受託は、オーナーが貸主のまま、管理業務だけを管理会社へ委託する形です。入居者との賃貸借契約はオーナーと入居者の間にあり、空室のリスクも家賃変動のリスクもオーナーが負います。ここまで説明してきたのは、この形です。
サブリースは、管理会社などがオーナーから建物を借り上げ、それを入居者へ転貸する形です。賃貸住宅管理業法第2条第5項は、特定賃貸借契約にもとづき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者を「特定転貸事業者」と定義しています。この場合、オーナーの契約相手は入居者ではなく、借り上げる事業者です。
サブリースについては、同法で管理受託とは別に規制が設けられています。誇大広告等の禁止(第28条)、不当な勧誘等の禁止(第29条)、特定賃貸借契約の締結前に書面を交付して説明する義務(第30条第1項)などです。これらは登録の有無にかかわらず適用されます。
どちらがよいかは、家賃の受け取り方・空室リスクの負い方・将来の契約変更の可能性など、判断の軸が別の話になります。その比較の軸はサブリース(家賃保証)と管理委託の違いは?契約前に確認したいことで扱っていますので、比較を検討される場合は、まず現在の契約がどちらの形になっているかを契約書の表題と条文で確認するところから始めてみてください。

委託する業務の範囲は基本的に契約で決まるため、確認する場面は「契約前」「契約時」「委託中」の3つに分かれます。
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結するまでに、契約の内容と履行に関する事項について書面を交付して説明することとされています(法第13条第1項)。この説明は、業務の範囲を確認できる機会です。
イエリテの実務から
当社では受託にあたって、委託していただく業務の範囲を書面で一つずつ確認するようにしています。集金の方法、送金日、清掃の頻度と範囲、緊急時の連絡先、修繕の手配をどこまで任せるかといった項目を、「やる・やらない」ではなく「どこまでやるか」で確かめておくと、後の食い違いが減ると感じています。
管理受託契約を締結したときに交付される書面には、次の事項が記載されます(法第14条第1項)。
費用の線引きを確認するときに見るのは、主に2番と4番です。解約したいときに何か月前に伝えればよいかは5番に書かれています。解約の予告期間について法令上の基準はなく、契約書の定めによります。管理受託契約が委任の性質を持つ場合の背景には民法第651条(各当事者はいつでも解除できる。ただし相手方に不利な時期の解除などでは損害の賠償が必要になる場合がある)がありますが、実際にどう解約できるかは契約条項で確認してください。
なお、管理業務の全部を他社へ再委託することは法律で禁じられています(法第15条)。一部の業務を協力会社へ回すこと自体は行われますので、清掃や緊急対応を誰が行うのかも聞いておくとよいと思います。
登録を受けた管理業者からは、1年を超えない期間ごとに管理業務報告書が交付され、説明を受けられます。この報告書には、管理業務の実施状況だけでなく、入居者からの苦情の発生状況と対応状況が記載されます。
苦情の欄は、空室や滞納の数字には表れない建物の状況が見える部分です。同じ設備の不具合が繰り返し出ていないか、退去につながりそうな要望が続いていないかを、報告のたびに目を通しておくと、修繕の判断が早くなります。苦情の欄以外にどこを見て何を判断するかは、管理業務報告書はどこを見る?賃貸オーナーが確認したい項目と次の判断で欄ごとに整理しています。
イエリテの実務から
当社では、滞納が起きたときは初期の段階でオーナー様へ連絡し、長期化させないようにしています。また修繕については、金額の基準を決めて事前承認のラインを設けるようにしています。少額で日常的なものは手配を先に進め、一定額を超えるものは見積りを添えて判断していただく、という形です。
緊急時の対応をどうするかも含めてこの基準を最初に決めておくと、判断を求める連絡と、事後の報告で足りる連絡を分けられます。
沖縄地方は台風の接近が多い地域です。気象庁「台風の平年値」(1991年~2020年の30年平均)では、沖縄地方への台風の接近数は年7.7個、九州南部は3.9個とされています。なお、この「接近」は台風の中心が国内のいずれかの気象官署から300km以内に入った場合を指します。
このため、屋外階段の手すり、外部廊下、屋外に置かれた給湯器、共用灯、雨樋、屋上の防水といった外にある部分の傷みが、管理の対象として重くなりやすい環境です。海に近い立地では、潮風の影響を受ける面と受けにくい面で傷み方が変わることもあります。南城市は東側から南側にかけて海に面しており、同じ市内でも立地によって条件が変わります。
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確認ポイント
台風で被害が出たときの対応と費用の整理は、賃貸物件の台風被害にどう対応するかで扱っています。屋根・外壁・防水など、年数で計画していく修繕についてはアパートの大規模修繕の進め方をご確認ください。
法令で決まった料率はなく、業務の範囲によって変わります。賃貸住宅管理業法は報酬の額を規制していないため、料率だけを他社と比べても、同じ仕事を比べたことにはなりません。比べるときは、料率と一緒に「清掃の頻度」「巡回の頻度」「緊急時の対応」「募集業務の扱い」をそろえてください。なお、入居者募集の媒介に対する報酬(仲介手数料)は宅地建物取引業法第46条にもとづく告示で上限が定められており、管理委託料とは別の規制です。
できます。貸主が自ら賃貸することは宅地建物取引業に当たらないため、募集や契約の実務を自分で行うことも制度上は可能です。ただし、入居者対応や修繕手配の時間、緊急時の連絡体制をどう確保するかという別の問題が出てきます。手間と費用の比べ方は、自主管理と管理委託どちらにするかの考え方でまとめています。
まず契約書の送金日の定めと、直近の管理業務報告書を確認してください。賃貸住宅管理業者は、受領した家賃・敷金・共益費などを、自己の固有財産や他の管理受託契約にもとづく金銭と分別して管理しなければならないとされています(法第16条)。支払いをめぐる法的な請求や契約解除の可否については、弁護士へご相談ください。当社を含む不動産会社は、その判断そのものを行う立場にはありません。
契約の内容は書面を見ないと分かりません。管理受託契約書、直近の管理業務報告書、家賃の送金明細の3つを探すところから始めてください。契約書が見つからない場合は、管理会社に保管している写しがないかを確認し、再交付が可能か相談してください。委託の範囲が現状に合っていないと感じた場合の手順は、アパートの管理会社は変更できるかで扱っています。
管理受託の形であれば、貸主は替わらないため、入居者との賃貸借契約はそのまま続きます。変わるのは、家賃の送金経路や連絡先などの事務です。ただしサブリースの場合は契約の当事者関係が異なるため、同じようには考えられません。まず現在の契約がどちらの形かを確認してください。
アパート管理会社の仕事は、募集と契約、家賃の集金と滞納対応、建物の維持保全、入居中と退去時の対応という4つの領域に分かれます。このうち賃貸住宅管理業法が「管理業務」と呼ぶのは維持保全と金銭管理の2つで、募集と契約の媒介は宅地建物取引業法の側の仕事です。
毎月の管理報酬の対象を繰り返しの業務に限り、仲介手数料・広告料・修繕費・原状回復費をその都度の費用として分けて定めている契約があります。どちらの扱いになっているかは契約ごとに違い、仲介手数料のように法令上の規制がある費目もあります。滞納時に家賃相当額が入るかどうか、巡回や清掃の頻度、修繕費の負担も、契約書の定めと法律上の原則の両方で決まるもので、「管理を任せているから」で自動的に決まるものではありません。
登録を受けた管理業者からは、契約前の説明、契約時の書面、1年を超えない期間ごとの管理業務報告書を受け取れます。まずは手元の管理受託契約書を開き、「管理業務の実施方法」と「報酬に関する事項」の2か所を読んでみてください。そこに書かれていない業務が、いま期待している内容と食い違っていないかを確かめるところから始められます。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、2026年8月26日時点の法令・制度にもとづいています。管理受託契約の内容は個々の契約によって異なります。契約の効力や法的な請求、税務上の取扱いについては、弁護士・税理士など専門家へご確認ください。
管理委託料に何が含まれ、どこから別費用になるかは、契約書を見ないと判断できません。現在の管理受託契約と実際に受けている業務を照らし合わせ、確認しておきたい点を整理するところからお手伝いします。管理会社を替えると決めていない段階でもご相談いただけます。

株式会社イエリテ 代表
沖縄県南城市出身。住宅建築設計や不動産実務の経験を活かし、土地・戸建て・空き家・相続不動産などの売却や活用をサポートしています。お客様一人ひとりの事情に寄り添い、売る・残す・活用するといった選択肢を分かりやすく整理してご提案します。
売却だけでなく、賃貸や管理を含めた活用方法についてもご相談いただけます。